2010/08/01

Deeper communications. Deeper understandings.

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 21 巻 ひかる宇宙編・前 
 安彦 良和 著角川グループパブリッシング ★ Link(s): Amazon.co.jp

月刊『ガンダム A』で 2001 年から連載している安彦良和先生による描き下ろしリライト版のファースト・ガンダム『THE ORIGIN』の最新刊。約半年前に発売された 20 巻で「ソロモン編」が終了し、主役は表紙に描かれてる通りララァ。物語はいよいよ最終局面に突入してきた。

まぁ、個人的にメチャメチャ好きなキャラクターであることもあってか、ララァがすごくチャーミングに描かれてる印象を持ったんで、てっきり安彦先生もそうなのかと思ったんだけど、『ガンダム A』のインタヴューを読むと、むしろ苦手だったんだとか。曰く、「理解を超えてしまってるキャラクター」とのこと。まぁ、言われてみれば確かにそうだし、描く側としては厄介なキャラクターかも。だからこそ魅力的なんだけど。考えてみれば、ララァこそ、この後のストーリーだけじゃなく、その後のシリーズでのシャアとアムロのことを考えると、ガンダムの中で最も影響力の大きなキャラクターだって言えるわけで、魅力的に描かれてて当然なんだけど。

まぁ、シャアとのキス・シーンやらアムロとの交感だとか、見所満載のクライマックスで、ララァの表情とか、複数の感情がひとつの絵に入り交じる安彦節全開で、読み応えは十分。もうここまでくると、終わりが見えてきた感もあるんだけど、思いの外、安彦先生は創作意欲旺盛というか、ディティールを微調整してきてるんで、それこそ、ホントにア・バオア・クーで終わるのかも含めて、今後もまだまだ目を離せない感じ。

いつも書いてる通り、早く先が読みたいような、でもまだ終わって欲しくないと思うような、複雑な心境を抱きつつ、それでも完結まではもうちょっとかかるはずなんで、まだまだこの幸せな時間を過ごせる喜びを噛み締めながら、安彦先生の健康をただただ祈りたいな、と。


『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』既発巻:

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