2008/03/21

New Amerykahn funk.

ERYKAH BADU "New Amerykah Part One (4th World War)" 
(Motown / Universal) 

前にレビュー(これこれ)したジル・スコットと並んで、21 世紀のリアル・ソウル・ミュージックを聴かせてくれる女性シンガー、エリカ・バドゥの 4 枚目のスタジオ・アルバム。ものすごい厳ついアートワークが目を魅きます。

日本のリリース元のレーベルの紹には「さらにヒップ・ホップ・ビートの効いたエリカのニュー・ディレクション!!」と書いてあるけど、聴いた印象としては、個人的には「いわゆるヒップ・ホップ」にはまったく聴こえないかな。たぶん、9th ワンダー、マッドリブサ・ラジェイ・ディー(R. I. P.)辺りがプロデューサーとして名を連ねてるからだと思うんだけど、むしろ、ヒップ・ホップも体内に取り込んで消化(=昇華)したソウル・ミュージックって趣き。

一聴した印象はヒップ・ホップというよりはファンク。メチャメチャファンキーだし、BPM の遅い曲を歌わせたらやっぱこの人、ピカイチ。わりファンキーで攻撃的な印象のサウンドが多いし、タイトルもエライ物騒だから(いろいろと含みがありそうで、深読みしたくなる)、ビートの感じとか今までよりヒップ・ホップっぽいって言えばそう言えなくもないけど、本質はそこにはない。やっぱりソウル。個人的には、今は亡きジェイ・ディーの心地いいグルーヴにのって歌うラスト・トラックの "Telephone" がハイライトかな。でも、頭からケツまで捨て曲ゼロの素晴らしい出来映えで、クラシックの誉れ高いデビュー・アルバム "Baduizm" と並んで長く愛聴することになりそうな、限りなく★ x 5 に近い★ x 4。

0 comment(s)::