2009/05/11

A space between the earth and the moon.

『機動戦士ガンダム UC 8 宇宙と惑星と』
 矢立 肇 / 福井 晴敏 / 富野 由悠季 著角川グループパブリッシング)  
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books
 
前にレビューした 4 巻5 巻6 巻7 巻に続いて、相変わらずテンポよく発売されてる福井晴敏による小説版ガンダム、「機動戦士ガンダム UC」の最新刊。コミックと同じ装丁で発売されてるんだけど、コミックにしては分厚く感じるくらいのヴォリューム(最近、特に厚くなってる気がする)で、これで小説、しかもすでに 8 巻。まぁ、それだけの情報量だってことで、やっぱり宇宙世紀を総括するにはこのくらいのスケール感が必要なんだな、と。

この 8 巻はゴールデン・ウィーク前に発売されてて、とっくに読んでた(というか、厳密には毎月、月刊『ガンダム A』で読んでるのをまとめて読み直してるってことなんだけど)んだけど、レビューし忘れてたんで、ちょっと遅ればせながら。ちなみに、マスター・グレード・シナンジュの別パーツ付きの特装版も発売されてる。

もし、シャア・アズナブルがいまも生きているとしたら…、それはもう人ではなくなっているのではないかな?

帯にはこんなセリフが踊ってる。このセリフだけで、語ろうと思えばいくらでも語れちゃうくらい、いろんな伏線が張られた意味深な言葉なんだけど、そのセルフの主、フル・フロンタルが表紙のイラストでマスクをしてないことにまずビックリ。タイトルに「宇宙(そら)と惑星(ほし)と」とある通り、物語の舞台は再び宇宙。やっぱり決着は宇宙でつけるらしい。ガンダム全体の特徴として「単純な勧善懲悪の図式ではない」ってのがあるけど、機動戦士ガンダム UC」は特にいろんな利権とか思惑が複雑に絡み合ってて、それがストーリーの面白さになってるんだけど、そういう部分が徐々に整理されてきて、まさに佳境に入ってきてるって感じ。この巻を経て、それぞれが、それぞれの想いを胸に、ある場所に集結する、と。

ちなみに、この巻の発売と同時に待望のアニメ化が正式に発表された時期は冬。TV なのか映画なのか OVA なのか、フォーマットはまだ未発表。ぜひ、この世界観を存分に映像化できるフォーマットで、できれば、それこそ大河ドラマみたいに 1 話 45 分 x 4 クールとかでやって欲しいもんだけど。福井晴敏作品の映像化の難しさは終戦のローレライ 上巻 / 同 下巻』と『亡国のイージス 上巻 / 同 下巻』で(悪い意味で)実証済みなので。今年は 30 周年だし、夏にはお台場に等身大のガンダムが降臨予定だったりするけど、そんなメモリアル・イヤーを締めくくるに相応しい作品になることは間違いない(っていうか、なってもらわないと困る)


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