2009/03/11

In a Brasilian mellow mood.

HYLDON "Na Rua, Na Chuva, Na Fazenda" (Universal) 
Link(s): Amazon.co.jp

『ブラジルのホモ・ルーデンス』のレビュー等、最近のエントリーで「ブラジル音楽ばかり聴いてる」ってたびたび書いてるけど、そんな中でもお気に入りの 1 枚がこのイルドンの 1975 年のアルバム。

別に歴史的な名盤とか金字塔とかではないと思うし、キャッチーでもポップでもないと思うんだけど、でもなんかいい感じで、なぜかいつも(入れ替わりの激しい)iPod / iPhone に入ってて、気が付くとなんだかよく聴いてるアルバムってのがあるんだけど、このアルバムは典型的なそのタイプ。アートワークのイメージのまんま、なんかいい感じの味わい深さが気持ちよくて、いろんなシチュエーションに合う、ある種のユーティリティ・プレーヤー的なアルバムなのかも。歴史的な名盤ではないけど、間違いなく良盤ではあるな、と。

個人的にも一般的にも、やっぱり印象が強いのは映画『シティ・オブ・ゴッド』のサウンドトラックに収録されてるタイトル・トラックなんだけど、アルバム全体としてもなかなかの完成度。一応、世の中的には「ブラジリアン・ソウル」の代表格のひとりってことになってるみたいんだんでけど、個人的には、ソウルっていうよりも、70 年代のアメリカのシンガー・ソングライターとか AOR に近い印象だなぁ、と思ったらバックを務めてるのはアジムスなんだとか。さすがというか、どうりでというか、少なくとも暑苦しさはほとんどなくて、ちょっとフォーキーでメロウで、シンプルだけど心地いいサウンド。

ポルトガル語で歌ってること以外、いわゆる「ブラジル音楽」っぽさは、実はあんまりない気もするけど、でも、70 年代のシンガー・ソングライター的なサウンドでありながら、絶妙にセクシーなところは確かにちょっとソウルっぽいし、その辺の絶妙なバランスというか、ブレンド感が実は他にはありそうでないブラジルらしいのかなぁ、と思ったりもする。

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