2016/05/15

Keep it cold. Keep it hot.

ハリオ V60 ウチマグ VUW-35B ★★★★☆

HARIO V60 Vacuum Thermal 'Uchi Mug' VUW-35B

Links: Amazon / Rakuten / Official website


ハリオ V60 ウチマグ VUW-35B
発売されたのはたぶん1年くらい前だと思うので今さら感は否めないけど、去年の夏くらいから日常的に使ってきて、やっぱりバッチリいい製品なので備忘も兼ねて一応レヴューしておこうかな、と。

このハリオ V60 ウチマグ(VUW-35B)は、名前からも解る通り、ハリオ(Hario)のコーヒー製品の代名詞と言える V60 の名を冠したサーモ・マグ。真空断熱二重構造なのでホットは冷めにくく、アイスは温くなりにくいというのが特徴で、V60 シリーズのサーバーとかグラスを思わせる「ボコッボコッ」としたシェイプが印象的なデザイン(写真はエントリーの最後に)もシンプルでなかなかいい感じ。買ったのは写真のブラックだけど、他にシルバー(VUW-35HSV)もある。

実際にどれくらい冷めにくくて温くなりにくいかというと、ウェブサイトには「保温効果 73℃ 以上 / 保冷効力 7℃ 以下」なんて書いてあるけど、これは「室温約 20℃ 前後の環境で、約 95℃ のお湯 / 約 4℃ の水を入れてフタをして1時間経ったときの温度」ってことなんだとか。まぁ、いわゆるカタログ・スペックではこういう数値になる、と。

2015/01/10

Art of building. Art of playing.

『レゴはなぜ世界で愛され続けているのか』 ★★★★☆

 デビッド・C・ロバートソン / ビル・ブリーン 著 黒輪 篤嗣 訳(日本経済新聞出版社)

 Links: Amazon / Rakuten Books 


言わずと知れた世界的なおもちゃ / ブロック・ブランドのレゴ(LEGO / Link: website)に関する書籍で、2014年の春に出版されたモノ。原書は2013年に出版された "Brick by Brick: How LEGO Rewrote the Rules of Innovation and Conquered the Global Toy Industry"(Link: iTunes Store / Amazon / Rakuten Books)で、イノベーションや製品開発の研究を専門とするペンシルベニア大学の教授のデビッド・C・ロバートソン(David C. Robertson)とビジネス・メディアの『ファースト・カンパニー(First Company)』(Link: website)の創設メンバー / 編集主幹であるビル・ブリーン(Bill Breen)の共著。原書の「いかにレゴはイノベーションのルールを書き直し、世界の玩具産業を席巻したか」ってサブタイトルや著者2人の経歴だけでなく、訳書も「最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理」なんてサブタイトルで日本経済新聞社から出版されていることから予想できるように、基本的にはレゴというブロックの楽しさや素晴らしさ、その革新性や普遍性等ではなく、企業としてのレゴの経歴や製品開発といったビジネス面にフォーカスが当てられてる。

特に多くのページが割かれてるのは、存続すら危ぶまれるような危機的状況に陥ったレゴがどのように業績を回復したかという部分で、そのためにどんな策を採ったのか、何が成功して何が失敗したのか、その成功と失敗の原因は何だったのか等といった点を、'イノベーション' って言葉をキーワードにしつつ、レゴという企業(ブランド)固有の要素と業種を問わない普遍的な要素を整理しながら、さまざまなビジネスのヒントや教訓になるように一般化して述べられてる。まぁ、いかにもアメリカの学者やビジネス業界の人間が書いたビジネス書って言ってしまえばまさにその通りなんで、個人的にはそれほど好きなタイプの本ではなかったんだけど、レゴっていう研究対象自体が魅力的だし、思ってた以上に大きな紆余曲折があったし、単にユーザーとして見てただけでは気付かなかった点も多かったんで、思ったよりも楽しんで読めちゃった印象かな。あと、新しい書籍なんで、あまり意識的にはチェックしてなかった21世紀に入って以降の動きが整理・アップデートされてる点も魅力のひとつって言える。

2014/09/11

How many more miles must we march?

BEN HARPER "Welcome to the Cruel World" (Virgin)  ★★★★☆

ベン・ハーパー『ウェルカム・トゥ・ザ・クルーエル・ワールド』

Links: iTunesAmazon / Rakuten


この "Welcome to the Cruel World" はアメリカ人男性シンガー・ソングライター、ベン・ハーパー(Ben Harper)のファースト・アルバムで、リリースされたのは1994年なので今年で20周年ということになる。まぁ、実際のリリースは2月なので厳密にはもう約半年過ぎちゃってるわけで、別に20周年ってタイミングでどうこうというわけじゃないんだけど。ただ、もともと個人的にはすごく好きだったんだけど、最近、改めて聴き直したらすごくグッときちゃって、でも、ちゃんと読めるようなレビューとかを(少なくともインターネット上では)あまり見かけないんで、ちょっと整理しておこうかな、と。

なんでグッときちゃったかっていうと、単純に、2014年に聴いても作品が持つパワーが衰えてないから。だって、アルバム自体が「無慈悲な世界へようこそ」なんてアイロニカルなタイトルで、1992年に LA で起こった暴動(Link: Wikipedia)の発端(これだけが原因と断定できないけど、トリガーのひとつであったことは間違いない)になったロドニー・キング事件をモチーフに、マーティン・ルーサー・キング Jr.(Martin Luther King Jr.)を引き合いに出して「マーティンの夢はロドニーの最悪の悪夢になった」なんて歌う "Like A King" とか、同じくマーティン・ルーサー・キング Jr. の1962年のワシントン大行進を想起させる「世界を変えたいなら、未来を過去のようにしてはならない。教えてくれ。オレたちは何マイル行進しなきゃならないんだ」なんて歌詞の "How Many Miles Must We March" なんて曲が収録されてるんだけど、20年経った2014年になっても本質的には状況も問題も悲しくなるくらい変わってないから。こないだミズーリ州ファーガソンで起こったことなんかがすぐに思い浮かぶけど、別にアメリカに限った話じゃなくて、ヨーロッパも中東もアジアも(もちろん日本も)同じ問題を抱えてて、むしろ状況は悪化してると思うんで。海外でも日本でもいろんな案件でデモが頻発してて、デモって行為自体はもっともプリミティヴな市民の民主的意思表明としてどんどんやったほうがいいと思ってるけど、でも、やっぱり「あと何マイル行進すればいいんだよ?」って思っちゃうことがないとは言えないところもあったりするんで。

2014/08/13

Drop by drop.

イワキ ウォーター・ドリップ・コーヒー・サーバー KT8644-CL ★★★★☆

IWAKI Water Drip Coffee Server KT8644-CL

Links: Amazon / Rakuten / Official website


ちょっと前に行きつけのロースターで教えてもらって(作ったモノの試飲もさせてもらって)購入を決めたアイスコーヒー・サーバー。挽いた豆と水をセットすると約2時間で、すっきりとしていながらコクのある深い味わいのアイスコーヒーが楽しめる。ミニマルなデザインもなかなか秀逸で、2007年にグッドデザイン賞を受賞していることも納得って感じ。

仕組みは至ってシンプルで、写真の一番上のタンクに水、真ん中のドリッパー部分に挽いたコーヒーの粉をセットすると、抽出されたコーヒーが下のタンクに溜まるようになってる。

なぜ約2時間もかかるかというと、タンクから水が一滴ずつポタポタと垂れるようになっていて、その水がドリッパーのコーヒーの粉をジワジワと湿らせて、ドリッパー底部のフィルターを通って一滴ずつ抽出されるという仕組みだから(実際の抽出のスピードはこの動画を参照)。つまり、セットさえしてしまえば、電気もガスも使わずに、ただ待っていればアイスコーヒーができるということ。ちなみに、約2時間というのは、約 450cc の水と 40g のコーヒーをセットして約 400cc のアイスコーヒーを抽出する場合のマニュアルに記載されてる所要時間。この量が一度に作れる最大の量で、サイト等には約4杯分と記載されているけど、まぁ、実際には2〜3杯程度といった印象(もちろん、個人差の範囲だけど)。所要時間に関しても、「約2時間」と記載されてるけど、使ってみた感じでは、タンクが空になるのは2時間程度だけど、コーヒーの粉を湿らせてる分はタンクが空になってからも多少残っているので、実際には2時間強って感じかな。

肝心の味については、上に「すっきりとしていながらコクのある深い味わい」って書いたけど、「すっきり」よりも「コクのある深い味わい」のほうが強い印象。アイスコーヒーの場合、(長時間水に浸して抽出するオーソドックスな)水出しコーヒーは「すっきり」してるけどちょっと「薄い(軽い)」感じに、それなりに「コクのある深い味わい」のモノだと「イヤな感じの苦さ」も強い感じになりがちだけど、このサーバーだと「すっきり」と「コクのある深い味わい」のバランスが良くて、やや後者の特徴が強い感じがする。大量にゴクゴク飲むというよりも、それほど多くない量を味わって飲むのに適してるって印象かな。

2012/08/20

Blue lines for cycling blues.

都道 431 号線(水道道路)西新宿 4 丁目 〜 泉南間 自転車専用レーン ★★★★☆

これまでにも、前にレヴューした『銀輪の巨人 ジャイアント』のレヴュー『自転車はここを走る!』のレヴューをはじめとして、自転車関連のエントリーでたびたび触れてる通り、残念ながら日本は自転車文化後進国で、なかなか気持ちよく自転車で走ることができないのが現状なんだけど、そんな中で、(個人的に知る限り)数少ない '良い施策' のひとつが、右の写真の自転車専用レーン。存在はちょっと前から知ってたし、評判は割と良かったんだけど、実際に走ってみたら、思ってた以上に走りやすくてビックリした。

見ての通り、特別なことをしてるわけじゃなくて、道路交通法で定められてる通りに車道の左端を走りやすくするように、白線を引き、ブルーに塗られ、自転車専用と書かれてるだけ。たったこれだけのことで、ビックリするくらい走りやすい。幅もこれだけあれば十分だし、他の道路でよくあるように(車道の左端ではなく)路肩に追いやられる心配もない。ズバリ、コレが正解なんじゃないかって思っちゃうくらい。

2012/08/16

A giant story. A giant vision.

『銀輪の巨人 ジャイアント』 野嶋 剛 著(東洋経済新報社) ★★★★☆ 
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

これまでありそうでなくて、でも、前から読みたいと思ってたテーマをドンピシャで扱ってくれた書籍で、今年の 6 月に発売された。

「前から読みたいと思ってたテーマ」ってのは、タイトルであり、表紙に写真も載ってる台湾の自転車メーカー、ジャイアント(Giant / Official Website)について。自転車メーカーとしても、純粋にひとつのアジアの企業としても、何かと興味があって、でも、あまり目にすることがないテーマだったんで。自転車雑誌とかを熱心に読んだり、自転車に関する書籍をたくさん読めば触れられてないことはないのかもしれないけど。でも、少なくともちょこちょこと自転車関連の書籍や雑誌、ウェブサイトなんかを見てる限りは見かけたことはなかった。ただ、自転車にまつわるモノはこれまでにもたびたびレヴューしてきた通り、自転車は常に気になってるジャンルのひとつだし、自転車について気にしてれば、当然、ジャイアントは目に入るんで。

最近は日本でもすっかりお馴染みになったジャイアントは、その名の通り、世界の自転車産業の中でも屈指の '巨人' で、台湾の小さな工場として起業し、数十年の間に世界最大の自転車メーカーになったんだけど、特筆すべきはその規模的な成功だけではなく、それ以外にもいろいろ興味深い特徴がある。例えば、台湾の自転車産業は直近の 10 年で、輸出台数がほぼ同じでありながら総輸出額は約 3 倍増させてるんだけど、それを牽引してるジャイアントの業績は、1999 年に 319 万台を売って 118 億台湾ドルを売り上げていたのが、2011 年には 577 万台を売って 474 億台湾ドルを売り上げてる。どちらの数字も販売台数の増加率よりも売り上げの増加率のほうが急激であり、1 台当たりの販売価格を上昇させてるわけで、つまり、より価格の高い自転車を売れるようになったことで成功したってこと。これはすごく重要なポイントで、実は個人的にもすごく実感があったりもする。

2012/07/09

Unique ideas. Unique business.

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
 ブライアン・ハリガン / デイヴィッド・ミーアマン・スコット 著

 糸井 重里 監修・解説 渡辺 由佳里 訳 (日経BP) ★★★★☆
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books


去年の年末に発売された当初から話題になり、ベストセラーになってた(っぽい)一冊で、ロック史上でも屈指のユニークさで熱狂的な支持を集めてきたグレイトフル・デッド(GRATEFUL DEAD)がやってきたことから、現代のビジネスに応用できるポイントを抽出し、それが解りやすくまとめられてる。

あまりにも評判が良かったんで、ついつい警戒度を上げちゃいつつ、でも、あまり予備情報を頭に入れずに読んだんだんだけど、まぁ、結論としては、評判がいいのも十分に理解できる感じだったかな。

ライブは録音 OK! 音楽は無料で聴き放題。それなのに年間 5000 万ドルも稼ぐ。40 年前からフリーもシェアも実践するヒッピーバンド、それがグレイトフル・デッド。

表紙の表 2 側の折り返し部分にはこんな言葉が書いてあるし、「彼らはそれをやっていた。」と題された前書きから、いきなり、なかなかいいサジ加減で上手いこと言ってて、「ほぉ」なんて思ってたら、書いてるのが「この本を出そう出そうと言った者」こと糸井重里氏だったりして。

ハード・カヴァーで 274 ページあるわりに文章量はそれほど多くないし、文体も柔らかくて読みやすいし、挙げられてる事例も解りやすいんで、そういう点も人気が出た理由なんだろうって推測できる。

あと、個人的にすごく魅かれた点は装丁かな。表紙回りのデザインは原著より出来がいいくらいだし、ページの中にも長年グレイトフル・デッドを撮り続けてきたジェイ・ブレイクスバーグ(JAY BLAKESBERG)による写真が多数、効果的に使われてるし、本文の文字のサイズ・文字間・行間も読みやすいし、単なる単色ではなく、赤をアクセントに使ってるので適度にポップな印象を与えてるし(アマゾンの 'なか見! 検索' で確認できる)。ひどい装丁デザインの本が多い中、かなり秀逸な部類って言えるんじゃないかな。

2012/04/02

Run Free. Run further. Run forever.

MICAH TRUE a. k. a. 'CABALLO BLANCO' (November, 1954 – April 1, 2012) - R. I. P.

前にレヴューした傑作『BORN TO RUN 走るために生まれた』でメイン・キャラクターの 1 人として取り上げられてたランナーで、ウルトラマラソンの先駆者でありベアフット・ランニングの伝導者としても知られる 'カバーヨ・ブランコ(CABALLO BLANCO)' ことミカ・トゥルー(MICAH TRUE)の訃報が伝えられた。享年 58 歳。

カバーヨ・ブランコは火曜日にランニングに出かけたまま戻らず、翌日から『BORN TO RUN』の著者のクリストファー・マクドゥーガル(CHRISTOPHER McDOUGALL)等のヴォランティアを含めた多くの人々が捜索に当たったものの、ニュー・メキシコ南西部の荒野で発見されたのは土曜日になってからで、既に死亡していたとのこと。詳しい死因等はまだわかってないっぽい。特別な目的ではなく、ごく日常的なランニングに出かけただけだったんだとか。行方不明になったってニュースを知ったときから、心配しつつもどっかで「ひょっこり帰ってこねぇかなぁ」って祈ってたんだけど。

カバーヨ・ブランコは 1954 年コロラド州ボルダー出身で、英語でカッパー・キャニオン(Copper Canyon)と呼ばれるメキシコのチワワ州にあるバランカ・デル・コブレ(Barranca del Cobre / 銅峡谷)でカッパー・キャニオン・ウルトラマラソン(Copper Canyon Ultramarathon)を開催したことで知られる人物。このバランカ・デル・コブレはタラウマラ山脈の 6 つの峡谷からなる峡谷地帯で、タラウマラ(Tamahumara)族の伝統的な居住地でもあることが、'史上最強の走る民族' と言われるタラウマラ族につながる部分で、ここでのタラウマラ族の '走りの秘密' をめぐるエピソード『BORN TO RUN』の主題(のひとつ)になり、それがウルトラマラソンとベアフット・ランニングにもつながった、と。ちなみに、'カバーヨ・ブランコ(caballo blanco)' ってのはスペイン語で '白馬' って意味なんだとか。

2012/03/24

Music of hope.

ESPERANZA SPALDING "Radio Music Society" (Heads Up) ★★★★
Link(s): iTunes Store (Deluxe Edition / Standard Edition) /
Amazon.co.jp

これまでにも何度か取り上げてる才色兼備の女性ジャズ・ベーシスト / シンガー、エスペランサ・スポルディング(ESPERANZA SPALDING)のニュー・アルバムで、2010 年 8 月にリリースされた "Chamber Music Society" に続く通算 4 作目のアルバム。ゲスト参加してたニコラス・ペイトン(NICHOLAS PAYTON)のアルバム "Bitches" のレヴューで「個人的にトップ・クラスに好きな現代の女性ヴォーカリスト」って書いた通り、メチャメチャ好きなアーティストで、しかも、Q・ティップ(Q-TIP)が参加するなんて情報も事前に漏れ聞こえてきたんで(たしか、Q・ティップがそうツイートしてたんだったかな?)、リリース前からすごく楽しみにしてた。まぁ、前作リリース以降の一般的な知名度の急上昇っぷりにはちょっとビックリしてるけど(やっぱり去年のグラミー賞効果なのか? ちなみに、ジャズ・ミュージシャンの最優秀新人賞受賞は史上初なんだとか)。

先に結論を言っちゃうと、期待をまったく裏切らないバッチリな出来映えで、 素直にすごく完成度の高いアルバムに仕上がってる。ソングライティングも抜群だし、洗練されてて音楽性は高いんだけど頭でっかちではないアレンジも絶妙のバランスだし、彼女のチャーミングなヴォーカルも存分に活かさせれてるし。まさに 'エスペランサ' って感じかな。いろんな意味で。

2012/03/22

Simple ideas. Clear visions.

『EARTHLING 地球人として生きるためのガイドブック』
 Think the Earth 編 (ソル・メディア)★★★★☆
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books


去年の年末に発売された書籍で、ベースになっているのは、編者になっている Think the Earth が去年の 7 月 30・31 日に開催したイベント、'EARTHLING 2011' の内容を書籍化したモノ。ある種、議事録的な書籍なんだけど、イベントに行けなかったので、なかなか楽しんで読めたかな。

'earthling(アースリング)' ってのは '宇宙人' って言葉に対する概念として '地球人' という意味で使われる言葉で、ロバート・A・ハインラインの 1949 年の SF 小説『レッド・プラネット』(Links: Amzn / Rktn)で使われたのが最初なんだとか(未読だけど)。

イベントには '地球人大演説会' ってサブ・タイトルが付いてて、さまざまなジャンルで 活躍する 30 人のアースリングたちが 1 日 15 人・それぞれ 15 分ずつヴィジュアル・プレゼンテーションを行った、と。プレゼンテーションは Ustream で配信され(いくつかはリアルタイムで観た)、アーカイヴもかなりの本数が残されてるんで、プレゼンテーションの内容を確認することもできるようになってる。

30 人のリストもオフィシャル・サイトで確認できるんだけど、このリストの中には 元サッカー日本代表監督(もちろん、我らが横浜 F・マリノスをリーグ連覇に導いた監督でもある)の岡田武史氏とか、このサイトでもこれまでに何度か取り上げてる作家・写真家の石川直樹氏とか、ガンダムの原作者の富野由悠季氏とか、前にレヴューした虹の戦士翻案者の北山耕平氏とかの名前があって、これだけでも十分魅かれちゃう感じだった。冒頭には、Think the Earth プロジェクトの理事長の水野誠一氏と脳科学者の茂木健一郎氏の対談なんかもあるし。