2009/02/23

Sound of Brasilian blackness.

"Black Rio: Brazil Soul Power 1971-1980" 
 Compiled by DJ CLIFFY (Strut)  Link(s): Amazon.co.jp

前のエントリーのニーナ・シモンのレビューで「最近は 60 〜 70 年代のブラジル音楽を掘ってみてる」って書いたけど、そういうときには良質なコンピレーションがいいガイドになることが多い(そこからさらに深く掘っていく、って意味で)。そんなときにいい仕事をしてくれるのは日本人かイギリス人であることが多いんだけど、この "Black Rio: Brazil Soul Power 1971-1980" は、まさにその典型的な例と言える 1 枚。いつ頃どこで知ったのか、全然覚えてないけど、すっかり愛聴盤になってる。

ヒップ・ホップ・クラシックの"Rapper's Delight" のインストゥルメンタルのダサカッコイイカヴァーで幕を開けるこのコンピレーションは、タイトルの通り、70 年代のリオ・デ・ジャネイロを中心としたブラジリアン・ソウル・ミュージック〜ファンクを集めたモノで、何がいいって、まずタイトルとアートワークが抜群にいい。71 〜 80 年ってことでちょうど、アメリカでソウル・ミュージック〜ファンクが全盛で、ヒップホップの萌芽が芽生えつつあったオールド・スクール期だったわけで、当然、その熱はアフロ・アメリカン・ミュージック圏内(アメリカ大陸って意味で)の音楽大国、ブラジルにも伝わらなかったわけがない。

正直、それほど詳しいわけじゃないんで、ここに収録されているのが、世間的に A 級なのか B 級なのかというか、メジャーなのかマイナーなのかわかんないけど、個人的には、いい意味でのレア・グルーヴ感が感じられてすごく好み。アメリカともアフリカともジャマイカとも違う、豊潤で生き生きとしたブラック・ミュージックが展開されてて、いわゆるステレオタイプ的な「ブラジル音楽=サンバ / ボサ・ノヴァ / MPB」っていう狭い枠には収まりきらないブラジル音楽の懐の深さの一端が堪能できる。もちろん、サンバ / ボサ・ノヴァ / MPB も好きだけど、こういうちょっと変化球からのほうが、幅の広さとか懐の深さみたいなモノが感じられて好きだったりする。

ちなみに、このコンピレーションも "The Wild Bunch - The Story Of A Sound System Mixed By DJ MILO" やアンプ・フィドラーとスライ & ロビーの "Inspiration Information, Vol. 1" と同様、Strut からのリリース。いい仕事してやがる。

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