『ゲリラ戦争』エルネスト・チェ・ゲバラ 著 五十間 忠行 訳
(中公文庫) ★★★★★ Link(s): Amazon.co.jp
言わずと知れたキューバ革命の英雄、ゲリラ戦士のシンボル、そして世界で愛されるカリスマ、チェ・ゲバラ自身の著作。タイトル通り、ゲリラの戦い方の本だけど、ちょっと視点を変えると「強大な相手(敵)に、少数(精鋭)で立ち向かうための術」の本に見えてくる。これは、 今の社会とか自分の生活にも全然当てはまる。手段は武力かもしれないしそうじゃないかもしれないけど、目的が理想の実現であることには変わりがない。最近読み直したらそう思えて、すごくしっくりきた。
あと、個人的には鞄と靴の重要性をやけに強調していることも、鞄・靴好きとしては親近感が持てる。鞄と靴は、自分に必要なモノを自分の力で運んで移動しながら活動していくためのエッセンシャルなアイテム。そこにこだわりを持つことは、何年にも渡って無意識のうちにやってきたことだっただけに、これを読んだときに不思議な感覚だったりした。
もちろん、チェ自身もとても魅力的。真摯で有言実行、実践主義的な姿勢は、とかく「楽して金儲け」みたいなスタンスをもたはやしがちな昨今、すごく大事なことを示唆してる。「赤いキリスト」と呼ばれたけど、「僕はキリストじゃないし、慈善事業家でもない。キリストとは正反対だ。正しいと信じるもののために、手に入る武器は何でも使って闘う。自分自身が十字架にはりつけになるよりも、敵を打ち負かそうと思うのだ」って言ってるように、いい意味で武闘派なところもいい。
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