2008/07/18

Brazilian job.

"Encanto"

. SERGIO MENDES(Universal)

ちょっと前のリリースだけど、大ヒットした前作 "Timeless" で聴かせたブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムとの相性のいい共同作業で制作されたセルジオ・メンデスの新譜。基本的な方向性も "Timeless"と大きな違いはない。ブラジル音楽とヒップホップを洗練されたサウンドでポップに仕上げる手腕はさすがの出来映え。ブラック・アイド・ピーズのファーギーが歌うバカラック作のセルジオ・メンデス・クラシック "The Look of Love" をはじめ、"Agua de Beber"(おいしい水)や "Águas de Março (Waters of March)"(三月の水)など、お馴染みのクラシックを "Timeless" 以降のディレクションでポップにまとめてる。

とはいいつつも、いつもイマイチシックリこないのセルジオ・メンデスだったりして。ブラジルのクインシー・ジョーンズとか言われがちだけど、あながち間違いじゃない。同じ理由でクインシー・ジョーンズもイマイチシックリこない。もちろん、聴けばキライじゃないし、好きなレコードもいっぱいある。でも、たぶん、完成度が高すぎるというか、スキがないというか、非の打ち所のない見事なプロダクションとアレンジが、ちょっとトゥー・マッチというか、うまくまとまり過ぎてる感じがして、なんか馴染めなかったりする。見事な出来映えだからミュージシャンやプロデューサーに人気があるのはわかるけど、ポップ・ミュージックってちょっとスキがあるくらいなほうが良かったりもするので。キレイすぎる女の子に似てるかも。ちょっとだけ不細工なところもあるくらいのほうが愛嬌がある、っていうか。まぁ、これは個人的な嗜好だし、完成度は間違いなく高いので、それこそ、街中とかで普通にかかってたりする分には最高の BGM ではある。

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