『虹の戦士』 北山 耕平 翻案(太田出版) ★★★★★ Link(s): Amazon.co.jp
地球が病んで
動物たちが 姿を
消しはじめるとき
まさにそのとき
みんなを救うために
虹の戦士が あらわれる。
地球が病み、動物が姿を消し、人間が健康を失って愚かな振る舞いを始める。そんな「偉大なる浄化のとき」。 伝説、物語、古い教え、儀式、神話、太古の部族の風習などを、しっかりと守り続けたきた者、「虹の戦士」の時代が到来する。
複数のネイティヴ・アメリカンの部族に伝えられる物語を、素晴らしいデザインで読ませる一冊。悲しくも力強く、恐ろしいまでに示唆に富んだストーリーそのものはもちろん、装丁やイラストレーションもとてもよく考えられてて、こどもでも大人でも楽しめて、グッとくること間違いナシ。
あとがきに、あるナバホ族の青年の「日本人は白人と一番うまくビジネスをしたインディアンだ」といった意味の言葉が紹介されている。悪意ではなく冗談として。ちょっとハッとした。言われてみれば確かにそう。同じモンゴロイド。本書の中で使われてるアメリカ・インディアンって呼び方とか、インディアンって言葉とともによく使われるネイティヴ・アメリカンって言葉には、「アメリカ(大陸)」っていう地理的な意味合いが付いちゃってるから逆に気付きにくいけど、同じルーツを持ったいるはずだし、しかもその時代が、江戸時代と並んで日本史の中でもピースな時代として興味の尽きない縄文時代だと言われれば、決して偶然とは思えない。呼び方はどうでもいいけど、ひとつの「ネイティヴ」としてとらえれば、今、目の前に迫る「浄化のとき」にこそ知っておくべき、何か大切なヒントがきっと隠されてるような気がする。
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