アウトドア・ブランドの雄、ザ・ノース・フェイスの 40 周年を記念して 2008 年 11 月 28 日〜 12 月 3 日までスパイラル・ガーデンで開催される展覧会、「DO MORE WITH LESS 40 Years of the North Face」のために制作されたフォト＆エッセイ集で、制作・発行はスイッチ・パブリッシング。展覧会の会場のみで販売されるプログラム的なモノなのかと思っていたら、一般の書店でも販売されていて、内容も展覧会自体と直接関連しているものではない。メインになっているのは、以前、ザ・ノース・フェイスが発行していた "EARTH" のいうフリーペーパーの中から、自然への提言をセレクトして石川直樹の写真を加えて 'EARTH' というカタチでまとめたモノで、 'EARTH' をまとめた本だから『THE EARTH BOOK』だ、と。
テーマ・内容ともわりと硬めで、「自然保護を考える」から始まり、「雨」「大気」「風」「雲」、さらに「性と生殖」「生命のかたち」「生きものたちの子育て」など、なかなか読み応えのある内容。写真も、そのために撮ったものではないはずなのに、すごくシックリきてて、素晴らしいし。さらに、巻頭には作家・池澤夏樹がアラスカ・フェアバンクスにある星野道夫の自宅を訪れて行った対話から自然をめぐる珠玉の言葉を精選、アンセル・アダムズの写真を加えた「自然、生きることの不思議」というページも、写真も短いコメントも素晴らしくて、なかなか味わい深い。
写真とテキストのみっていう、すごく潔い構成でありながら、それで十分。とても見応え・読み応えはある。ただ、ザ・ノース・フェイスの 40 年の歴史や考え方・デザインの変遷をまとめたスペシャル・カタログ的なモノを期待していた部分もあったりして、そういう意味ではちょっと複雑だったりするのもまた事実。ただ、そういう部分を抜きにすれば、かなり示唆に富んだ内容ではある。
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