2009/02/03

Modern classics.

PAUL WELLER "At the BBC" (Yep Roc) 

'モッドファーザー' ことポール・ウェラーが 1990 年から 2008 年の間に BBC に残したライヴ音源をデジタル・リマスター処理した全 74 曲・CD 4 枚組ボックスというヴォリュームたっぷりなアイテム。ソロの曲はもちろん、ザ・ジャム〜ザ・スタイル・カウンシル時代の楽曲からカヴァーまで、時にはアコースティックに、時にはバンドで(見えないけど、明らかに)青筋を立てながら、歌い上げてる。

まぁ、全部をメチャメチャ楽しめるって人は相当なウェラー・マニアだと思うし、さすがにちょっとお腹一杯というか、トゥ・マッチな感もなきにしもあらずだけど、それを差し引いても、あらためてこうやって彼の楽曲を聴き直してみると、やっぱりソングライターとしてメチャメチャ優秀であることを実感する。個人的には、ザ・スタイル・カウンシル〜ソロ初期の名曲揃いの CD3、特に "What's Going On" のカヴァーから "Uh Huh Oh Yeh" に繋がる流れとか、"Headstart For Hapiness" から "Into Tomorrow" の流れとか、メチャメチャツボなんだけど、まぁ、どこを聴いても十分楽しめるし、いい感じで年とキャリアを重ねてるというか、いい感じで成熟してきてるのが感じられる。佇まいも相変わらずカッコイイし。

個人的には最新アルバムの "22 Dreams" はちょっとイマイチな印象だっただけに、これはちょっと嬉しいリリースだし、こういう企画盤はありがたい。こういうのをキチンとコンテンツとして成立させるってのも、すごくいいことだし。昔から BBC ってこういうのキチンとやるから当たり前な感じもしちゃうけど、いい企画は資産になるし、その資産をキチンと活かすって、すごく大事だな、と。あらためて。ちょうど、こないだテレビ朝日の開局 50 周年特番のひとつで、ニュース番組について取り上げた「ニュースの記憶」ってのを観てて、この番組自体はなかなか面白かったんだけど、同時に、せっかくこれだけいろいろなコンテンツのアーカイヴ=資産を持ってるのに、番組内でちょっと細切れで見せるだけなのはすごくもったいないな、と思ったところだったんで。番組内ではともかく、それこそウェブで期間限定とかで全部観れるようにするとか、そういう活かし方すればいいのに、って。日本のテレビ局はどこもそうだけど。日本で BBC に該当する NHK だって、いい資産、持ってるはずなのに。

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