2009/02/08

Sunshine soul music.

"Inspiration Information"

. SHUGGIE OTIS(Luaka Bop)

イギリスのレーベル、 Strut がアシュレイ・ビードルとホレス・アンディのコラボレーション・アルバムを作ってる、しかも、これは "Inspiration Information" って企画の第 2 弾で、第 1 弾はアンプ・フィドラーとスライ & ロビーだって聞いて俄然期待を膨らませてるんだけど、そういえば 'Inspiration Information' ってなんだっけ? って思ってちょっと調べて思い出して聴き直したのがこのシャギー・オーティスのアルバム。まぁ、いわゆる「隠れた名盤」として一部で大人気な 1 枚だ。

シャギーは若い頃から天才ギタリストとして騒がれてたシンガー・ソングライター / マルチ・インストゥルメンタリスト / プロデューサーで、このアルバムをリリースした 1974 年の時点でまだ 20 歳過ぎだっていうからビックリ。2001 年にディヴィッド・バーンの主宰する Luaka Bop からリ・イシューされて手に入りやすくなったんだけど、そこにコメントを寄せてるのがトータスのジョン・マッキンタイアだったり、ステレオラブとかハイ・ラマズのメンバーだったり、ジャイルス・ピーターソンだったり、パトリック・フォージだったり、"Vibe" 誌も好評かだったりするところが象徴してる通り、なかなか既製のジャンルの枠に収めにくい、掴みどころのない 1 枚だったりする。よく比較対象として名前が挙がるのがスライ・ストーンだったり、プリンスだったりするんだけど、確かにブラック・ミュージックの枠からハミ出しつつも、ロックやポップと呼ぶにはビミョーに黒いサウンドは独特で、スライやプリンスの名を挙げたくなる気持ちもわからないではない。ブルースやロック、ソウル、ファンクからサイケデリアとか AOR 〜ラウンジ的な部分まで感じさせつつ、適度にポップ感も漂うサウンドは、確かにスライっぽさもありつつ、同時にアーサー・リーが率いたラヴっぽさも感じさせたり。60s-70s の西海岸の空気感が感じられるアルバムで、かなり聴き応えがある。

こういう、ジャンルレスなサウンドって、いつの時代にもなかなか評価されにくいのは、「ジャンル分け至上主義」の弊害だと思うけど、同時に、こういう隠れた名盤に目を向けようとするレーベルの存在は歓迎できるし、ありがたい限り。こういう傾向はサポートしていきたいな、と。

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