2009/09/04

In the name of dub.

IAN SIMMONDS "The Burgenland Dubs" (Musik Krause  
Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

タワー・レコードでもらってきた『bounce』をパラパラと見てたら、なんと、イアン・シモンズ(IAN SIMMONSの新譜がリリースされてて、驚くやら嬉しいやら、どんな内容なのかも特に確かめないまま、早速聴いてみた。

まぁ、イアン・シモンズって聞いて、どのくらいの人がピンとくるのかっつうと、かなり怪しいけど、個人的には、かなりエッセンシャルなアーティストというか、ツボなアーティストのひとりなんで。

イアン・シモンズは、もともとはサンダルズ(SANDALS)ってユニットのメンバーで、このザ・サンダルズが 1994 年にアシッド・ジャズ(Acid Jazz)からリリースした "Rites of Silence"(Links: iTS / Amzn)ってアルバムは、後にトリップ・ホップって呼ばれることになるダビーでアブストラクトでスモーキーなダウンテンポ・サウンドの先駆的な名盤で、最近、再評価されてるのか、お蔵入りになってたセカンド・アルバム "Yesterdays Tomorrow" も 15 年の時を経てリリースされてるらしい(まだ未聴だけど)伝説のユニットだったりする。

その後、しばらく音沙汰がないと思ったら 1999 年にソロ名義で !K7 から "Last States of Nature"(Link: Amzn)ってアルバムを出して、これが、また、地味なエレクトロ・ダブ・ハイテク・ジャズって感じのアルバムで、なかなか素晴らしい出来映えで。2000 年には "Return to X"(Link: Amzn)、さらにジュリーマン vs スペーサー名義で "Mail Order Justice"(Links: iTS / Amzn)、ジュリーマン名義で "The Hill"(Links: iTS / Amzn)の 3 枚を、2002 年に "Escape to Where"(Links: iTS / Amzn)とコンスタントにアルバムをリリースしたんだけど、これがどれも、地味なんだけど、すごく良質なアルバムで。どれも好きだったけど、特に "Last States of Nature" なんかは今でも愛聴盤だったりして。その後、また、全然音沙汰がないと思ってたんだけど、実はワイズ・イン・タイム(WISE IN TIME | Links: iTS / Amzn)ってジャズ・ユニットをやってたらしく、アルバムはコンスタントに作ってたらしい(未聴なんだけど)。

まぁ、そんなわけで、チェックし損なってただけで、コンスタントに活動してたらしいイアン・シモンズだけど、この "The Burgenland Dubs" は本人名義のアルバムとしては 2002 年の "Escape to Where" 以来ってことなんで、やっぱり、だいぶ久しぶり。でも、結論を先に言っちゃうと、全然期待を裏切らない出来映え。クールで、ダビーで、ディープで、派手さはないけどジワジワくるようなアブストラクトな世界観は健在。ジャズ・ユニットをやってたせいか、以前よりもテクノ / エレクトロ色が薄まって、生音が増えてジャズ色がちょっと濃くなったような印象かな。トライバルな感じもあって、でも、全体のトーンはやっぱりクールで。単純にクラブ / ダンス・ミュージックとはちょっと呼びにくい感じのサウンドに仕上がってる。

なんか、すっかり晩秋な感じのアートワークも、ダイレクトじゃないものの、妙にサウンドに合ってるような気もしてるけど、なんか、ちょっと涼しくなってきたし、これからの季節の夜はこういうサウンドが聴きたくなるもんで、そういう意味でもすごくナイス・タイミングだったし、ちょっとご無沙汰してただけに、うれしい再会でもあったりして。


Album Review - 'The Burgenland Dubs' von Ian Simmonds by ClubAudioCasts

0 comment(s)::