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2011/02/19

Stay wired. So weird.

サイバービア 電脳郊外が "あなた" を変える』 ジェイムス・ハーキン 著 吉田 晋治 訳
(NHK 出版)  Link(s): Amazon.co.jp

どっかの書店の店頭で見かけたのかな? タイトルに魅かれて読んでみた一冊(造語の語感は好きじゃないけど)。タイトルの 'サイバービア' は、'サイバー(cyber)+ サバービア(suburbia)'って意味の造語で、サブ・タイトルにある通り、'電脳郊外' みたいな意味。このタイトルを見て真っ先に思い出すのは「サバービアの憂鬱」って言葉だったりするんだけど、ロジカルな意味ではなくて、まず直感的なレベルでピンとくるというか、つながる感覚は、確かにある。

サバービアの憂鬱』ってのは大場正明氏が 1993 年に出した本で、'憂鬱' っていう通り、豊かな社会のある種の象徴的なイメージだったはずの '郊外' (インナー・シティやゲットーと対比した意味合いで)の '病んだ' 部分について、アメリカ社会の '郊外=サバービア' の発展過程やそこで生じている諸問題を多角的に検証して綴ったモノだったはず(だいぶ前に読んだんで、記憶にはイマイチ自信がないけど…)。でも、リアルタイムで観たり聴いたりしてきた映画や音楽等なんかのことを思い出せばその通りだったし、その裏返しがヒップ・ホップに代表されるアフロ・アメリカン・カルチャーだったりもする。しかも、今にして思うと、それはアメリカ社会に限られたハナシじゃなくて、(ちょっと形態は違うけど)自分がまさにリアルタイムで経験してきた日本社会においても十分リアリティがあったりする。今回、あらためて調べてみたら、ウェブサイトで全文(+ 追加テキスト)が公開されてたりするんで、読み直してみようと思ってるけど、まぁ、今回はそのハナシではないんで。

2010/09/11

Gimme some truth.

倒壊する巨塔ローレンス・ライト 著 平賀 秀明白水社) 
 Link(s): Amazon.co.jp(上巻 / 下巻




これもかなり前に読んでたんだけど、レヴューし忘れてた 1 冊(上下巻だけど)で、奇しくも今日は 9.11 なので、これを機にちょっと書いとこうかな、と。

2001 年 9 月 11 日に起こった同時多発テロ事件について綴った書籍で、原書は 2006 年に出版されて 2007 年にピューリッツァー賞を受賞した "The Looming Tower: Al-Qaeda and the Road to 9/11"。著者は『ニューヨーカー』誌のスタッフ・ライターとして活躍するジャーナリストで、訳書は 2009 年に出版されて、サブ・タイトルは「アルカイダと 9.11 への道」。出版当時はわりと話題になってた記憶がある。


2010/08/05

65 years later and still in the nuclear age.

核のアメリカ ー トルーマンからオバマまで吉田 文彦 著 
岩波書店)  Link(s): Amazon.co.jp

ある意味、ここ最近の最もホットなトピックのひとつでありながら、実はメチャメチャ古いトピックでもあり、なおかつ、わりと意味不明なロジックが横行していながら、そこは何故か棚に上げて議論するのがコンセンサスになってる感のある「核」の問題について、ちょっとお勉強してみようかな、と思って読んでみた一冊。発売は去年の 7 月なんで、わりと新しい本って言えるのかな。何ヶ月か前に読んでてレヴューし忘れてたんだけど、8 月と言えばどうしても想いを馳せてしまう(そして、そうするべき)時期でもあるんで、アリなのかな、と。

なんで「
今、ホットなトピック」なのかというと、その大きな要因は、もちろん、バラク・オバマのプラハでの演説とそれ以降の動き(いい意味でも悪い意味でも)。演説自体は、言うまでもなく、歴史的なものだったし、ちょっと感動的ですらあったけど、でも、ちょっと冷静に考えてみると、なかなかナゾが多いのが「核」の問題だったりもするんで。

2010/08/02

Suites for the seasons.

THE LAST ELECTRO-ACOUSTIC SPACE JAZZ & PERCUSSION ENSEMBLE
"Summer Suite" (Stones Throw)
 Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store 
"Fall Suite" (Stones Throw) Link(s): Amazon.co.jp ★



前にもアルバム "Miles Away" をレヴューしたザ・ラスト・エレクトロ・アコースティック・スペース・ジャズ & パーカッション・アンサンブルが 2009 年にリリースしてた EP シリーズの 2 枚。ザ・ラスト・エレクトロ・アコースティック・スペース・ジャズ & パーカッション・アンサンブルと言えば、このブログでも関連作品をたびたび紹介してるマッドリブのジャズ・プロジェクトで、この 2 枚は、タイトルに 'suite' と付いてることから解る通り、それぞれ約 40 分の '組曲' が 1 トラックのみ収録されてる企画盤的な EP。

2010/07/11

The living legend.

クライフ公認 「トータル」フットボーラーの全貌』
 
ミック・スホッツ / ヤン・ラウツェン 著 戸谷美保子 訳 
東邦出版)  Link(s): Amazon.co.jp

これも読んだのはかなり前だけど、レヴューし忘れてた一冊。言わずと知れたサッカー史屈指のカリスマ、ヨハン・クライフに関する書籍。サッカーの本ってあんまり読まないんだけど、ヨハン・クライフだけは別格っていうか、ついつい読んじゃう。しかも「公認」ときたもんだ。まぁ、あまり基礎知識ナシに、ホントにクライフだからって理由だけで読んだんだけど、先に結論を言っちゃうと、期待したより面白かったかな。

なんで「ヨハン・クライフだけは別格」かっていうと、まぁ、もちろん、今、世界のサッカー界の最先端を牽引し、世界中を魅了している FC バルセロナの「美しく勝利する」サッカーの土台を、プレーヤーとして、そして監督として築き、今もなお 'ご意見番' として支えてる人物だから当然って言えば当然なんだけど、理由はそれだけではなくて。

2010/06/14

Live organic.

JACK JOHNSON "En Concert" (Brushfire) 
Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store


前のエントリーのジャック・ジョンソン"To The Sea" のレヴューを書いてるときに、あらためてディスコグラフィを見直してたら、去年リリースされたこのライヴ・アルバムをレヴューしてなかったことを思い出したので、順番は逆になっちゃったけど、いい機会なので忘れないように。チェックするのを忘れてたわけではなく、リリース時に聴いてはいたので。

このアルバムは、2008 年の "Sleep Through the Static" リリース後に行われたライヴ音源から選ばれた全 19 曲入りのライヴ・アルバムで、上のリンクは通常盤なんだけど、DVD 付きの特別盤と、ツアーの様子をバック・ステージやオフショットまでドキュメンタリー的にまとめた DVD も発売されてる。

2010/05/25

It's been (and still) too cold.

『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(上・下)』
 デイヴィッド・ハルバースタム 著
 山田 耕介・山田 侑平(文芸春秋)
 Links: Amazon.co.jp(上巻下巻


 


言わずと知れた歴史的なアメリカ人ジャーナリスト、デイヴィッド・ハルバースタムの遺作。原著は 2007 年発行の "The Coldest Winter: America and the Korean War" で、訳書の出版は 2009 年。出た頃から読みたいとは思ってたんだけど、それなりにヘヴィーな本なんで(量的も内容的も)読むのがちょっと遅くなっちゃったのが、ようやく読了。まぁ、感想としては、期待に違わぬ出来映えで、かなり読み応えのある 1 冊(っつうか、上下巻 2 冊)だったかな、と。

「読みたいとは思ってた」理由は 2 つあって、ひとつは単純に朝鮮戦争に興味があったから。そして、もうひとつはデイヴィッド・ハルバースタムの作品だから。まぁ、どちらかっていうと、前者が理由がメインで、後者の理由がダメ押しになった感じ。

2010/05/01

Diaspora & hatikvah.

『イスラエル全史(上・下)』
 マーティン・ギルバート 著 千本 健一郎 訳(朝日新聞出版)
 Links: Amazon.co.jp(上巻下巻


このブログの方針として「印象が薄れないうちに、チャチャっと書き留めておこう」と書いてある通り、このブログは印象がフレッシュなうちに書き留めとくことが目的なんで、遅くとも、数日くらいの間にアップすることを基本にしてるんだけど、最近、すっかりエントリーが滞ってて、ネタが溜まっちゃいがちなんだけど、その代表格とも言えるのがこの『イスラエル全史』。読むの自体にもけっこう時間がかかったけど、読後に自分なりの感想みたいなモノをまとめるのにも、相当時間がかかった感じ(っていうか、まだ全然まとまってないんだけど)。

この『イスラエル全史』は上下巻それぞれ 500 ページ超えっていう大著で(2 段組みじゃない分、前にレヴューした『ヨーロッパの 100 年』ほどではないけど)、なかなかヘヴィー・デューティな作品(「ヘヴィー・デューティ」って、こういう使い方をする言葉じゃないけど、なんかシックリくる)。ヘヴィー・デューティだった理由はヴォリュームだけじゃないんだけど。ちなみに、価格もかなりヘヴィー。まぁ、情報量に対するコスト・パフォーマンスを考えると決して高価じゃないけど、単価として見ると、やっぱなかなかヘヴィーではある。感覚的に。

2010/01/25

21st century pop music.

ALICIA KEYS "The Element Of Freedom" (J Records) 
Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

アリシア・キーズほど「才色兼備」って言葉が似合うアーティストも他にいないよなぁ、とあらためて思わされた去年リリースの自身 4 枚目のオリジナル・アルバム。リリース前から Facebook で全曲プレヴューとかやってたんで、その頃から聴いてはいたんだけど、レヴューし忘れてたんで。

まぁ、先に結論を言っちゃうと、素晴らしいアルバム。素晴らしいポップ・ミュージック。いやぁ、もう、フツーにバッチリ。実は最初はそれほどいい印象じゃなかったんだけど(なんでだろ? '重い' 感じがしたのかな?)、なんか、気が付くと何度も聴いてて、聴くごとにドンドンしっくりくる感じがあって。だんだんジワジワくる感じというか。あと、フツーに街で耳にして、「あれ? この曲、何だっけ?」って思って Shazam で確認したことも一度や二度ではなかったりして。まぁ、記憶力の低下にも原因はあるんだけど、普通に街で耳にして「あぁ、いい曲だなぁ」って思うって意味で、すごクオリティの高いポップ・ミュージックだなぁ、と。

2010/01/15

The perspective on the moon.

宇宙兄弟 8 巻小山 宙哉 著(講談社)  
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books 

これまでにも既発巻をレビューしてきた宇宙兄弟』の最新刊で年末の発売。7 巻の発売が 9 月だったので、相変わらずコンスタントに 3 ヶ月ペースで発売されてる。

ハナシは、天真爛漫でナチュラルでちょいニュータイプで天然も入ってる弟と、そんな弟を誇りに思いつつもコンプレックスも抱えててる兄の兄弟が共に宇宙飛行士を目指す物語。だから、その名も宇宙兄弟』。

今回は、遂に兄・ムッタの宇宙飛行士選抜試験の結果発表が前半の山場。ネタバレになるんで詳細は書かないけど、合格した者にも、落選合格した者にも、それぞれにいいハナシがあって、ちょっとホロッときちゃう。

2010/01/14

The art of leverage.

『復刻 幻の藤原ノート ー「ゴッチ教室」の神髄』
 藤原 喜明 著(講談社)  Link(s): Amazon.co.jp 

これは「関節技の鬼」と言われる藤原喜明がカール・ゴッチ先生の道場で修行していた頃に、学んだ技についてつけていたノートを基にしてまとめたモノで、個別の技について、その原理とコツがまとめられてる(章立てが「首」とか「腕」とかだったりする)。

今は亡きカール・ゴッチ先生が日本の、そして世界のプロレス〜総合格闘技に
もたらした(遺した)功績の大きさは今あらためて語るまでもないほど絶大で、いくら評価しても評価し足りないくらいだけど、その核の部分にあるモノのひとつが関節技に代表されるゴッチ先生のレスリング・テクニック(決して関節技だけではないところが重要。もうひとつ、絶対に忘れちゃいけないのがスピリット。見落とされがちなことも多いけど、決してテクニカルな部分だけはないってことはすごく大事)。それこそ '一瞬で極まる' ってフィニッシュ形態を一般化させたのは、佐山聡や前田日明、船木誠勝ら、ゴッチ先生の門下生たちが一連の UWF の流れ(新日から UWF 以降の各団体等も含む)の中で見せた試合だったわけで、それが現在の MMA にもつながっていることは言うまでもない。

2010/01/11

Vibes through the decades.

"Rebirth" TRIBE (Planet E)  Link(s): Amzon.co.jp / iTunes Storeicon

デトロイト・テクノ / マシーン・ソウル・ミュージックの雄、カール・クレイグ・プロデュースによるジャズ・アルバムは、デトロイトを拠点とした伝説のスピリチュアル・ジャズ・レーベル(ビルド・アン・アークの "Love Part 1" のレヴューでも書いた通り、'スピリチュアル・ジャズ' って呼び方は好きじゃないんですが)、トライブで活躍した凄腕ミュージシャンたちを集めてレーベルの名曲を再演したっていう意欲作で、ユニット名自体がトライブっていう直球な作品になってる。

2010/01/10

The long voyage.

『ジパング』かわぐち かいじ 著 (講談社)  
Link(s): Amazon.co.jp

連載開始はなんと 2000 年で、完結したのは去年の秋。実に 9 年の時間をかけて描かれてきたかわぐちかいじの長編コミック『ジパング』が遂に完結した。単行本が出たらすぐに読んでたわけじゃなく、何冊か未読巻が溜まったらまとめて読んでたんで、これまでに個別にレヴューしたことはなかったけど、年末に出た最終巻までやっと読んだんでまとめてレヴューを(写真は最終巻のモノ)。

この
『ジパング』は、海上自衛隊のイージス艦・みらいが太平洋上で航海中に嵐の中で落雷を受けて、太平洋戦争中のミッドウェー海戦直前の太平洋にタイムスリップし、洋上で負傷した日本海軍の少佐を救出したことから、いろいろなことに影響を及ぼしていくっていう架空戦記モノ。軍備や歴史のリアリティをしっかりと押さえつつも、ストーリー自体はけっこうダイナミックに展開してて、そんなストーリーの中で国家・戦争・軍・核・歴史等というテーマを描いていく、かわぐちかいじ作品らしい硬派で大人向けのエンターテイメント大作に仕上がってる。コミックではないけど、印象としては前にレヴューした福井晴敏の『終戦のローレライ』にちょっと似てるところがあるかな。

2010/01/09

Dynamism of life.

『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』 福岡 伸一 著 (木楽舎)  
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

別に特別興味があったわけじゃないんだけど、ちょっと訳あって読んでみた一冊。でも、読んでみたらなかなか興味深くて、思ってた以上に面白かった。

著者の福岡伸一氏は青山学院大学教授の分子生物学者。最近はマス・メディアでの活動も多いらしく、わりと '売れてる' 学者のひとりらしいんだけど、まぁ、あまりマス・メディアを観ない(見ない)ので、あまり詳しくはわからない。ただ、あまりマスじゃないメディアに
もよく出てるんで、そういうところで見かけた記憶はあって、その印象はそれほど悪くなかったんで、わりと抵抗なくすんなりと読めたかな。

この『動的平衡』は 2009 年 2 月発行なんで、わりと最近の著書ってことになる(夏頃に『世界は分けてもわからない』って本も出してる。未読だけど)んだけど、その後、何本か TV 番組を観てみても、基本的に印象は変わらなかったかな。

2010/01/08

Underground resistance.

『MOONLIGHT MILE 19 巻』
太田垣 康男 著 (小学館)
Link(s): Amazon.co.jp

前にも 16 巻17 巻18 巻レヴューしたMOONLIGHT MILE』の最新刊。年末に発売されてたんだけど、18 巻の発売が 6 月だから、約半年ぶりの新刊。ここのところ、すっかり半年に一冊くらいのペースになってて、さすがに久々な感は否めない。まぁ、オトナ向けのコミックとしてはアリなペースではあるけど、年に 3 冊くらい読みたい感じはしちゃう。

概要は
18 巻レヴューにある通りなんだけど、ストーリーは既に第 2 部に入ってて、地球ではインドとパキスタンの全面核戦争が起こってて、月面で生まれた「ムーンチャイルド」が幼少期を終えて少年期を迎えてるって時代。月開発が(一見)華々しく進む反面、中国との新たな冷戦構造もありつつ、核戦争で住む場所を追われた大量の移民が月に流入し、華々しい(でも、全面的に管理が行き届いた)表の世界だけじゃなく、裏の世界=ファヴェーラも形成されているような、そんな月社会のアンダーグラウンドを人類史上初のムーンチャイルドを中心に展開していく、なかなかスリリングな展開を見せてる。

第 1 部はかなりリアリスティックというか、'わりと具体的にイメージできる近未来' として SF って感じだったのに対して、第 2 部はもっとブッ飛んだ感じの SF っぽくなってきてる。個人的には、その路線で行き過ぎちゃうとちょっと冷めちゃうところがあって、その危うさも感じなくはないけど、まぁ、なんとかギリギリの一線は保ってるような印象かな。

まぁ、相変わらず、読者の期待をいい意味で裏切るようなアッと驚く展開も随所にあるんで、読んでて飽きないし、早く次を読みたくさせるって意味で、やっぱり優れたエンターテインメントだなぁ、と思わざるを得ない。


*既発巻:
MOONLIGHT MILE 1 巻
MOONLIGHT MILE 2 巻
MOONLIGHT MILE 3 巻
MOONLIGHT MILE 4 巻
MOONLIGHT MILE 5 巻
MOONLIGHT MILE 6 巻
MOONLIGHT MILE 7 巻
MOONLIGHT MILE 8 巻
MOONLIGHT MILE 9 巻
MOONLIGHT MILE 10 巻
MOONLIGHT MILE 11 巻
MOONLIGHT MILE 12 巻
MOONLIGHT MILE 13 巻
MOONLIGHT MILE 14 巻
MOONLIGHT MILE 15 巻
MOONLIGHT MILE 16 巻
MOONLIGHT MILE 17 巻
MOONLIGHT MILE 18 巻

2010/01/07

Sunshine spiritual groove.

"Love Part 1" BUILD AN ARK (Kindred Spirits)  
 Link(s): Amzon.co.jp / iTunes Store

気が付けば約 1 ヶ月、更新しないまま放置してたこのブログだけど、別に辞めたわけでもなく、レヴューするモノがなかったわけでなく、ただ、ちょっと訳あって(こんな訳だけど)手が回らなかっただけで、今後もボチボチと続けていくつもりです。レヴューするモノがなかったどころか、むしろ溜まっちゃってるくらいなんで。「印象が薄れないうちに、チャチャっと書き留めておこう」ってこのブログの趣旨に沿えてないけどが、まぁ、ボチボチとキャッチアップしていこうかな、と。

で、まず一発目は、個人的には 2009 年のベスト・アルバムと呼んでも差し支えないビルド・アン・アークのニュー・アルバムを。あと、これを機にアルバムのリンク先をアマゾンと iTunes Store の 2 つにしてみた(あるモノは、だけど)。対した意味はないけど、自分だったらこのほうがありがたいと思うんで。

2009/12/06

Sounds of digital-native folks.

SAVATH Y SAVALAS "La Llama" (Stone Throw)  

前のエントリーでプレフューズ 73 の "Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)" のレヴューを書いてるときに、プレフューズ 73 ことギレルモ・スコット・ヘレンは今年、サヴァス+サヴァラス名義のアルバムも出してたことを思い出して(なんでも、今年、4 枚のアルバムを出す気らしい)、レヴューし忘れてたことに気付いたんで、忘れないうちにギレルモ・スコット・ヘレン連発ってことで。

サヴァス+サヴァラスはギレルモ・スコット・ヘレンがアシッド・フォーク / フォークトロニカ的なフォーキーな音楽性を打ち出して、エヴァ・プュエロ・ムンズとロバート・カルロス・ラング(今作から参加)と組んでるユニット。前にレヴューしたソナー・コレクティヴのコンピレーション "Secret Love" にも収録されてたけど、肌触りとしてはすごく近い世界観って言えるかな。

2009/12/03

It's tricky.

"Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)"

.
PREFUSE 73 (Warp

プレフューズ 73 は、サヴァス+サヴァラスやデラローサ・アンド・アソーラ等の名義を使い分けて、数々の作品をリリースしてるアトランタ出身の才人(奇人?)、ギレルモ・スコット・ヘレンのメイン・プロジェクトと言ってもいい名義で、今年、めでたく 20 周年を迎えたワープから 2001 年に "Vocal Studies + Uprock Narratives" をリリースして以来、これまでにオリジナル・アルバムを 5 枚発表している。いわゆるテクノ / エレクトロニカ系のシーンを代表するアーティストのひとりなんだけど、その中でも、特にヒップ・ホップ色が濃くて、そこが個人的にはメチャメチャツボで、デビュー当初からわりとマメにチェックしてたし、"Vocal Studies + Uprock Narratives" は今でもわりと愛聴してたりするくらい好きなアーティストのひとり。まぁ、あんまり派手な存在ではなかったんで、まさか 21 世紀に入って以降のシーンを代表するようなアーティストになるとは思っても見なかったけど。

どういう経緯なのかはわからないけど、なんでも、この "Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)" は、タイトルに 'The Japanese Diaries' ってあるように、日本限定の作品らしくて、オリジナル・アルバムってことではないのかな? リリースは今年の春頃。まぁ、12" インチとかをマメにチェックしなくなって久しいんで、どういう曲が収録されてるのかはよく知らないけど、まぁ、フツーに先入観を持たずに聴いてる分には、日本限定盤にありがちな「雑多(且つ安易?)な寄せ集め感」みたいなモノは感じない。

通して聴いてまず感じたのは、「あぁ、やっぱ、
プレフューズ 73 はメチャメチャ好きだなぁ。メチャメチャドープじゃん」ってこと。内容的は、相変わらず、っていうか、むしろ、近作以上に "Vocal Studies + Uprock Narratives" の頃のような、「いかにもプレフューズ 73」ってサウンドで、音響 / エレクトロニカ系な肌触りの音色でありながら、ヒップ・ホップを感じさせるバウンシーなグルーヴ感と必殺のヴォーカル・チョップを多用したトリッキーなサウンド・プロダクションは健在どころか、これでもかってくらい遺憾なく発揮されてる。多分にブッ壊れてるんだけど、どっかで絶妙に崩壊するのを押し止めてるというか、ギリギリのところで繋ぎ止めてるような、何とも言えない危ういサウンドは相変わらず中毒性が高い。

まぁ、最近の流れで言うと、ダブ・ステップ的なサウンド(とか言ってるわりに、イマイチよくわからんというか、シックリきてないんだけど、「ダブ・ステップ」って言葉とか呼び方には)につながったりもするんだろうけど、個人的には、"Vocal Studies + Uprock Narratives" の頃も今もやっぱりヒップ・ホップの進化形のひとつって認識だったりする。このタイプのサウンドをやってるアーティストで好きなのって、多かれ少なかれヒップ・ホップを感じさせるモノだったりするし。その中でも、プレフューズ 73 はその筆頭かな、と。


PREFUSE 73 "Such A Face" (From "Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)")








2009/12/01

Get the knowledge. Free your mind. Ride your cycle!

『自転車会議!』
 疋田 智・片山 右京・今中 大介・勝間 和代・谷垣 禎一 著 
PHP 研究所 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

前にレヴューした『自転車の安全鉄則』の著者、疋田智氏を中心(=進行役)に 5 人の自転車乗りが集まって、自転車の魅力や問題等について「会議」した議事録をまとめたモノ、なのかと思いきや然に非ず。実際に集まって「会議」に参加してるのは疋田智・片山右京今中大介勝間和代の 4 氏で、肝心の(そう! 肝心の!)谷垣禎一氏は別の場で疋田智氏がインタヴューするようなカタチで巻末部に載ってる感じ。特別扱いって言えば聞こえはいいけど、オマケっぽい印象も拭えないし、出版社のオフィシャル・サイトには「各界の有識者を虜にし、ますます加熱する自転車ブーム。それを牽引してきたリーダーたちがその魅力、これからについて熱く語り合う!」なんて書いてあるのに、正直なところ、ちょっと騙された感じがしないでもないし、(出版社なのか編集者なのか著者なのかはわかんないけど)作り手側に誠意を感じないというか、あざとさみたいなモノは感じちゃう。まぁ、サブ・タイトルの「なぜ、各界のトップランナーは自転車を選ぶのか」とか、帯に書いてある「デキる人は、漕いでいる」なんて痛々しい言葉から、胡散臭さは十分すぎるほど感じてはいたんで、警戒心は持って読んだんだけど、残念な意味で間違いじゃなかったらしい。

2009/11/24

Rock the soul.

MR. CHOP "For Pete's Sake" (Traffic  
Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

シンプルながらちょっとステキなアートワークのこのアルバムはイギリス人プロデューサー、ミスター・チョップ(MR. CHOP)によるピート・ロック(PETE ROCK)の曲のカヴァー・アルバム。前にレヴューしたカルロス・ニーニョ(Carlos Nino)とミゲル・アットウッド・ファーガソン(Miguel Atwood-Ferguson)の "Suite For Ma Dukes" とかロバート・グラスパー(ROBERT GLASPER)の "In My Element" に入ってた "J Dillalude" とか "Gilles Peterson presents Havana Cultura" に入ってた "Think Twice" とか、ジェイ・ディー(JAY DEE)a.k.a. J・ディラ(J DILLA)の曲のカヴァーは最近多くて、どれも秀逸な出来映えだったけど、このピート・ロックのカヴァーってのも、なかなか目の付け所がいいし、内容的にも面白い仕上がり。