ERIC LAU "Quadrivium" (Kilawatt) ★★★★★
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何故か香港の映画スターと勘違いしちゃいそうな名前のイギリス人プロデューサー / トラックメーカー、エリック・ロウ(ERIC LAU)がのインストゥルメンタル・アルバム。(レヴューし忘れてたんだけど)今年の 2 月リリースで、リリース直後から何度も繰り返し聴いちゃってる 1 枚で、個人的には 2011 年を代表する 1 枚かも? って思うほどのお気に入り。
まぁ、コレが歴史的な名盤か? とか、エリック・ロウの最高傑作なのか? って訊かれるとビミョーだったりもするけど、個人的にはメチャメチャツボで。ブッチャけ、こんなのならいくらでも聴いていられるっつうか、極端なハナシ、こういうのだけあればいいんじゃね? とか、ちょっと乱暴なことを言いたくなっちゃうくらいの大好物なんで、この手のサウンドは。
エリック・ロウは、明らかに東アジア系のルックス(見たところ、中国〜香港系なのかな? だとすると、呼び方は 'ラウ' に近いのかも?)のイギリス人のプロデューサー / トラックメーカーで、初めてその名前を目にしたのはジャイルス・ピーターソン(GILLES PETERSON)の主宰するブラウンズウッド(Brownswood Recordings)のレーベル・コンピレーション・シリーズの第 1 弾で 2006 年リリースの "Brownswood Bubblers"(Link: Amzn)だったと思うけど、実は、当時はそれほど印象が強かったわけじゃなくて、より注目するようになったのは、ストーンズ・スロウ(Stones Throw)なんかで活躍するダドリー・パーキンス(DUDLEY PERKINS)とのコラボレーション "ERIC LAU Presents DUDLEY & Friends"(Link: Amzn)や数々のコンピレーションへの参加、2008 年にユビキティ(Ubiquity Records)からリリースされたアルバム "New Territories"(Links: iTS / Amzn)、そして 2010 年にキラワット(Kilawatt Music)からリリースされた "Makin' Sound"(Links: iTS / Amzn)。"New Territories" はヴォーカリストをフィーチャーしたトラックが目立つ R&B 色の濃いアルバムで、 "Makin' Sound" はサンプリングを駆使したソウルフルなインストゥルメンタル・アルバムなんだけど、この 2 枚で確かなスキルを誇るプロデューサーとしての地位をシッカリと確立した感じかな。
この "Quadrivium" も "Makin' Sound" と同様、キラワットからのリリースで全 20 曲のフル・インストゥルメンタル・アルバム。アートワークのイメージ通り、スペーシーでディープでスピリチュアルなサウンドが特徴で、タイトルの 'quadrivium' ってのは「(中世の大学の)4 学科(算術・幾何・天文学・音楽)」って意味らしく、何とも意味深でコンセプチュアルな感じの仕上がり。本人が "Quadrivium" について語ってるオフィシャル動画があったんで(フリートラックと一緒に)下に貼っておくけど、まぁ、音数少なめなシンプル構成で、ビートはファットで、ピアノやシンセサイザーのループ感とかサウンドのスペース感もメチャメチャ心地良くて、バッチリだな、と。ホントに繰り返し聴いてても全然飽きないし、いろんなシチュエーションにハマる汎用性の高さも魅力。こういうサウンドで、アルバムを通して聴けるモノを作れるプロデューサーの登場は嬉しい限りだし。
ちなみに、リリースはアナログとデジタル・ダウンロードのみで CD はないらしいんだけど、ある意味、すごく現代っぽくて、個人的には好感が持てる。パッケージ自体の魅力は否定しないけど、ブッチャけ、CD ってそれほど魅力のあるパッケージ形態じゃないと思うし。こういう、ちょっと乱暴な割り切りはすごく好き。
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