2011/05/11

You have to find out by yourself.

『岳 14 巻』石塚 真一 著(小学館 / ビッグコミックス) ★★★★☆
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books


これまでにも出るごとにレヴューしてきた『』の最新巻。13 巻が発売されたのが年末だったので、インターバルとしては、これまでに比べるとちょっと長めな印象かな? まぁ、ちょうど実写映画が公開される直前のタイミングなので、いろんなところで映画の告知関連の記事を見たり、コラボレーション・アイテムが販売されてたりと、これまでになく注目が集まってるタイミングでの発売ってことになる。まぁ、個人的には、その辺はわりとどうでもいいんだけど。

ハナシは、これまでに何度も書いてる通り、主人公の山岳救助ボランティアの '山バカ' こと島崎三歩と、山をこよなく愛する周辺の人たちの、山にまつわる心温まるエピソードって感じで、昨今のちょっとした(?)山登りブームのベースを支える要因のひとつになってる(ような気がする)人気コミック。決してミラクルがあったり超人が出てきたりするわけじゃないんだけど、そこが逆に、なんかグッとくる。そんな絶妙なサジ加減が魅力って言えるかな。

なんか、やけに険しい雪山での表情の三歩が表紙だけど、別に雪山でのエピソードがメインってわけではなくて、いつも通り、いろんな季節のいろんなエピソードのオムニバス形式になってる。

今回のハイライトは何と言っても巻頭に収録されてるナオタのエピソード。初めて登場したときは小学生だったナオタが中学生になり、ついに山に登るエピソードは、これまでに何度も伏線が張られてたエピソードなんで、わかっててもやっぱりグッときちゃう。

あと、わりとしんみりきちゃうのは、最後に収録されてる三歩のティートン時代のエピソード。別に直接、山登りとかレスキューのハナシではないんだけど、それが逆にいい感じで、こういう感じって、実は『岳』の大きな魅力だったりするんで。

いつも書いてるけど、ちょっと気を許すとウルウルきちゃうんで、やっぱり、人前で読むのはキケン。これも決まり文句だけど、山に登らない人にも、登ってみたいかもって思ってる人にも、もちろん登る人にも。


*既発巻:

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