別に新刊というわけじゃないけど、古本屋で見つけて入手。サブ・タイトルが「24 人のトークコレクション」という通り、いろいろな組み合わせの対談が 12 本収録されてて、主に雑誌『山と渓谷』に収録されたもの(ひとつだけ『Outdoor』誌のもの)。対談の時期は '95 〜 '01 年ということで、ハナシとしてはちょっと古い感は否めないけど、まぁ、古本だし、その点を差し引いて考えても、わりと楽しめた。
登場している人物で、個人的に興味がある名前を挙げると C・W・ニコルさん(当時、長野県知事だった田中康夫氏との長野対談)、植村直己氏、石川直樹くん(祖父さんが芥川賞作家の石川淳だったことは初めて知った! )辺り。もちろん、12 本・24 人のすべてが好き(興味がある)ってわけじゃなくて、まぁ、打率 3 割くらいな感じだけど、今まで知らなかった人のハナシがわりと面白くて、そういう意味ではいい出会いだったのかも。
全ラインアップとテーマは以下の通り(すべて敬称略)。
- C・W・ニコル x 田中 康夫「森を育むもの、森が育むもの」
- 石川 直樹 x 山田 淳「21 世紀世代の山と旅」
- 片山 右京 x 平山 ユージ「高みへと向かう魂」
- 山折 哲雄 x 大森 久雄「山にふれる心」
- 岩崎 元郎 x みなみ らんぼう「楽しみ方も自分流」
- 田中 澄江 x 坂倉 登喜子「山の魅力は花にあり」
- 戸高 雅史 x 山野井 泰史「ソロの気概」
- 小林 泰彦 x 平野 恵里子「低山は旅、低山は散歩」
- 田部井 淳子 x 今井 通子「自然な気持ちで山登り」
- 松田 宏也 x 佐野 三治「生死の境で見えたもの」
- 鎌田 孝一 x 根深 誠「白神山地の現状と未来」
- 小西 正継 x 植村 直己「ハングリー精神と覚悟」
引っかかったところを挙げておくと、「日本人が四季ということを強く意識しだしたのは弥生時代以降で、縄文時代には夏と冬しか意識してなかった」「縄文時代から山を神聖な場所=神としてとらえていた」ってハナシとか、「日本人の山歩きの原点は巡礼行動や遍路行動、例えば伊勢参りや熊野詣だった」ってハナシとか。ここでいう「山歩き」って言葉は、たぶん「トレッキング」とは微妙にニュアンスが違うっぽい。もちろん、いい意味で。他にも、「日本の山のいちばんの魅力は縦走」とか、なんか本質的なものがありそうだし、低山フェチなんて人もいたり(標高 300 〜 600 メートル程度が「低山」なんだとか)。なんか、登った高さとか数にとらわれない、いろいろな、自由な山の楽しみ方があるんだなぁ、と。縦走もすごく興味があるし、低山も楽しそう。もうちょっと暖かくなったら高尾山でも行ってみようかな。NIKE TAKAO なんてモデルがある山だし、一回行ってみてもいいね。
あと、ここに載ってた『ハイグレード・ハイキング』はチェックしたほうがいいらしい。
0 comment(s)::
Post a Comment