2008/07/29

The future is right here.

iPhone 3G

(Apple Inc.) 


遂に日本でも発売され、地上波 TV のニュースやワイドショーでまで紹介されてしまったアップルの iPhone 3G。巷の報道では、その実体についてほとんど伝わってないことも発売後の混乱に拍車をかけた気がするけど、たしかにちょっとわかりにくい部分があるのも事実。だからみんな「携帯電話」とか「PDA」とか「スマートフォン」とか、一件似ているように見えるモノで、自分のヴォキャブラリーの中にあるモノと比較してなんとか理解しようとしてる(理解してるふりをしてる)けど、本当にキチンと理解していると思われる紹介や記事やほぼ皆無っていうのが残念ながら現状かな、と。

iPhone については、アメリカで発売された初代 iPhone をジェイルブレイクして使ってた印象を関心空間の日記に書いてある(「未来まであと 1 ヶ月」と「未来まであと半月」)ので、それを参照してもらえればという感じなんだけど、実際に発売された iPhone 3G は、やっぱり「とても優れた携帯通信デバイス」でした。特に、マックをメイン・パーソナル・コンピュータ(本当の意味で「パーソナルな」コンピュータとして、という意味で)として使ってて、.mac 改め MobileMe を使ってる人にとっては。xxxxxxx@mac.com(または xxxxxx@me.com)宛のメールはケータイメールのようにプッシュされるので、わざわざふたつのアドレスを使い分ける煩わしさはないし。あと、iPhone の大きな特徴であり、最大の魅力は何と言っても「優れたビューワ」であることで、ウェブサイトであれ画像=写真であれ動画であれ文字であれ、美しい表示で見ることができるというのが、他の追随を許さない部分だし、日本のケータイ業界でもっとも軽視されてる部分でもある。

タッチパネルの操作性とか、ソフトウェア的な部分は、やっぱりアップルなのでもちろん素晴らしく、マック・ユーザーなら何の違和感もなく使える。「マック・ユーザーなら」って時点でかなり範囲を狭めてるって感じる人もいるかもしれないけど、iPhone はあくまでも「(通信・通話機能付き)マック子機」と捉えるのが正しいと思うので、iPod もそうであるように、一件類似・競合するように見える他社機種と比較して考えようとすること自体が間違い。まったく新しいモノとしてキチンと考えて、自分のライフスタイルを鑑みつつ考えないと、上手く活かせない。とりあえずオモチャとして買うには、決して安いモノではないしね(発売直後に飛びついた人の多くは何も考えずに買っちゃってるっぽいけど。セカンド・マシンとして使うって声も多いし。みんな、どれだけケータイ業界に金使うのが好きなんだ?)。

機能的にはいくつか満足できない点もあるけど(コピー & ペーストができない点等)、その多くはソフトウェアのアップデートで対応できる(使いながらブラッシュ・アップしていったほうが精度は上がるので)ので、現状で星 5 つではないものの、まぁ、現段階での完成度としては概ね満足。ユーザーが任意で(有料・無料の)ソフトウェアをインストールできるとか、明らかにケータイらしからぬ魅力も備えているし。

ともあれ、長らく世界とは隔絶された鎖国状態の中で独自に進化してきた奇形のケータイ業界に訪れた黒船だし、「優れた携帯通信デバイス」だし、PDA 萌芽期に夢見た「未来のケータイ像」(というか、総合的なモバイル通信ツール)にとても近い、未来が目の前にやってきたようなデバイスであることは間違いない。

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