ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムのプロデュースしたセルジオ・メンデスの "Timeless" と "Encanto" で相性の良さを世界的に大きくアピールしたヒップホップとブラジル音楽の融合だけど、ウィル・アイ・アム+セルジオ・メンデスがあくまでもポップ・ミュージックとしての完成度を追求してるのに対して、このマッドリブとイヴァン・コンチのコラボレーションはより渋く、味わい深く、シンプルだけどジワジワと染みるグルーヴを聴かせてくれる。
まぁ、マッドリブといえば、ヒップホップ世代が生み出したプロデューサーの中でももっともソウルフルで、もっともクオリティの高いサウンド・プロダクションで高く評価されているプロデューサーのひとりなわけで、一方のイヴァン・コンチは言わずと知れたアジムスのドラマー、言ってみればブラジル音楽 / ジャズ / フュージョンのリヴィング・レジェンドなわけで、"Keepintime" や "Brasilintime" でお馴染みのこの組み合わせと言われるだけで期待はもう、パンパンに膨らんじゃうわけだけど、その期待に違わぬ素晴らしい出来映え。全編インストゥルメンタルで多くのブラジリアン・クラシックのカバーを含みながらも、プロダクション自体はわりと地味というか、とてもシンプルで、聴きやすいので、一聴するとスルッと抜けちゃうようなところもなくはないけど、実はよく聴くとスゴイ凝ったリズムが刻まれてたり、マッドリブらしいこだわりも垣間見えて(聴けて)、聴き応え十分。洗練されたサウンドの裏に隠されてるちょっと実験的な部分も含めて、本来的な意味ですごくジャズっぽいし、同時に、アメリカ(合衆国という意味ではなく、アメリカ大陸)のリズムとグルーヴを探求した 1 枚とも言えるのかもしれない。
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