2008/12/29

Mind-crossings in space.

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 18 巻 ララァ編・後』 
 安彦 良和 著(角川グループパブリッシング) ☆ Link(s): Amazon.co.jp

月刊『ガンダム A』 で 2001 年から連載している安彦良和先生による描き下ろしリライト版のファースト・ガンダム『THE ORIGIN』の最新刊で、「ララァ編」の後編となるこの巻の舞台は、シャアとセイラにとっても、アムロとララァにとっても重要な意味を持つ場所となったテキサス・コロニー。

この巻では、TV 版には重要なキャラクターとして登場していながら、映画版 3 作では割愛されてしまったシャリア・ブルが、TV 版以上に人間臭く描かれているのが印象的で、シャリア・ブルの登場とともに、これまで以上にフォーカスされてくるのがニュータイプについて。大枠のストーリー自体が違うわけではないけど、細かい部分はかなり微調整されてて、とても味わい深い仕上がりになってる。特にセイラとスレッガーの会話とか、シャアとセイラの会話(とそこにいるカイ)とか、それぞれの想いが複雑に交錯する、安彦先生ならではの描き方が堪能できる。

これまでにも何度も同じことを書いてるけど、物語は遂に佳境に入りつつあり、早く先が読みたいような、でもまだ終わって欲しくないと思うような、複雑な心境を抱きつつ、それでも完結まではまだしばらくかかるはずで、まだまだこの幸せな時間を過ごせる喜びを噛み締めながら、安彦先生の健康をただただ祈りたいな、と。福井晴敏による『機動戦士 ガンダム UC』とともに、これぞまさに「オトナのガンダム」。


『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』既発巻:

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