2009/01/05

Superwoman.

"As I Am (The Super Edition)"

. ALICIA KEYS(J Records)

2001 年の衝撃のデビュー・アルバム "Song In A Minor" でシーンにセンセーションを巻き起こして以来、その溢れる才能を余すところなく発揮して、21 世紀のポップ・ミュージックを代表する存在になった才色兼備のシンガー・ソングライター、アリシア・キーズが 2007 年にリリースした大ヒット・サード・アルバムの豪華盤。タイトルといい、アートワークの写真といい、いろんな意味で満ち溢れる自信が強く伝わってくる。この豪華盤は、ボーナス・トラック+ボーナス DVD(ロンドンでのライヴ 5 曲)付きなんだけど、プロダクトとして正規盤のリリースの翌年にこういうカタチで豪華盤をリリースするのってどうなんだ? って思う。去年、正規盤を買っちゃったユーザーのことを考えてるとは思えない商品企画には疑問を持たざるを得ない。

そうは言いつつも、作品自体はさすがのクオリティで、ボーナス部分もなかなかの内容だったりするので、ある意味、余計にタチが悪かったりするくらい見事な出来映え。一応、ジャンルとしては R&B ってことになるんだと思うけど、個人的にはデビュー当時からそれほど「黒さ」は感じてなくて。聴くときのテンションとして「ブラック・ミュージックを聴く」ってテンションじゃないっていうか。「黒い」んじゃなくて「(適度に)黒っぽい」、でも、カワイイルックスとミスマッチな、決して薄っぺじゃない骨太な感じもあって、その絶妙なバランスが他にいそうでいない、マネできそうでできない彼女のワン & オンリーなオリジナリティになってるのかな、と。歌もサウンド・プロダクションも。普通にポップ・ミュージックとして成立してる。個人的にはもうちょっとあっさり歌ったほうが好みというか、ちょっと歌い上げすぎな感もあったりするけど、それを差し引いても素晴らしいクオリティ。ソングライティングも素晴らしいし。

総合的に見て、これだけクオリティの高い音楽が(特定のジャンルや一部のマニアの間でだけでなく)普通にポップ・ミュージックとして受け入れられていることは素晴らしいことだし、ある意味、奇跡的な存在と言えるかもしれない。

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