2009/07/11

Smart, tough and natural.

smartwool PhD Ultra Light Outdoor Mini [Charcoal / Avocado] (smartwool) 

だいぶ前にパタゴニアのウール・ベースレイヤーのレビューでも書いたけど、最近のアウトドアの世界の大きな動き(のように思える)のがウール。特にアンダーウェア / ベース・レイヤーの、「肌着としてのウール」がすごく発達してて、すごくホットな素材になってるっぽい気がしてる。

ウールっていえば、一昔前までは肌着に不向きな素材の代表格だった。肌触りがチクチクするし、手入れが面倒だし、丈夫さがイマイチだし(特に肌触りがいいモノほどデリケートだった)。そんな印象が最近、大きく覆されてて、次々とウール製の新しい製品が出てきてるんだけど、そんな製品の代表格とも言えるスマートウールのソックス、PhD ウルトラ・ライト・アウトドア・ミニを購入したんで、早速、奥多摩でのトレッキングで試してみた。

スマートウールは 1994 年にコロラドで設立されて、現在はティンバーランドの傘下にあるブランドで、メリノ・ウールのスペシャリストとして知られてる。「スマートウール」ってのは会社(ブランド)名であると同時にオリジナルの素材名でもあって、厳選されたニュー・ジーランド産のメリノ・ウールで作られてるという。ウールっていうと防寒素材ってイメージが強いけど、スマートウールは体温を一定に保とうとする温度調整機能がありモイスチャー・マネージメント効果に優れてるらしく、フル・シーズン活用できる素材なんだとか。しかも、温度調整機能は乳酸の発生を抑えてくれるし、汗を外に発散するので肌をドライに保ってくれる。繊維の 90% を占めるケラチンっていう物質は復元力に優れたタンパク質で、薬品やバクテリアに強く、燃えにくいので、毎日の過酷な使用にも耐えうる丈夫さで、洗濯等の手入れも普通に洗濯機で OK。しかも、繊維の細さは髪の毛の 1/10 ~ 1/3 程度なので肌触りも抜群だし、抗菌作用もあるから臭いもつきにくく、なおかつ自然素材なのでエコロジカルでもある、と。

(見た目ではなく機能面での)デザイン的にも、スマートウールの PhD ソックスは、足の甲の部分を 4 方向からテンションを加えてフィット感・サポート感を高める4 ディグリー・フィット・システムっていうデザインを採用してて、なおかつ、甲の部分には通気性を確保するメッシュ・ベンチレーション・ゾーン、衝撃を受ける前足部とかかとにはクッショニング・ゾーンを設け(消耗が激しい部分でもあるので耐久性の向上にもつながる)てるっていう優れモノだったりする。

実は、ウールって素材と同じくらい、ソックスっていうアイテムもすごくホットだって思ってて。だって、足はトレッキングの中でも最重要部位のひとつだから。当たり前だけど。でも、ブーツに関してはキチンと気を使うわりに、ソックスって軽視されがちというか、ついつい 3 足いくらみたいなヤツとか、いわゆる一般的なスポーツ・ソックス的なモノで済ませちゃおうとしがちだったりするんで。最重要部位の筋肉として、その動きをキチンとサポートしてくれるモノであるべきだな、と。そういう意味で実は個人的にはソックスってすごく大事なアイテムな気がしてて。

実際に履いてトレッキングしてみた印象としては、結論から言うとすごく快適。触れ込み通り暑くもないし、フィット感もクッション感も明らかに違いが感じられるレベル。奥多摩では水辺でブーツとソックスを脱いで足を水につけたりしてたんだけど、履き直すときに気持ち悪さもあまり感じなかったし。あと、ブーツの中であまり動いちゃわないような気もしたし。

実は、去年からやや厚手のトレッキング用のウールのソックス(製品名は忘れちゃった)は寒い時期に試してて、これはこれでトレッキングでも、日常生活の中(例えば、冬場のサッカー観戦とか)でも、その威力を実感してたんだけど、まぁ「さすがウール。冬はいいね」くらいな感じだったんだけど、夏にも履ける(実力を発揮する)ウールのソックスってなると、ちょっと印象が違う。なかなかのヒットというか、見落としがちだけど侮れない感じだし、「夏」と「ウール」って組み合わせとかナチュラル素材なのにテクノロジカルなところとかちょっと意外性もあるし。それに「ウール」と「ソックス」っていう、個人的にすごく気になってたふたつのがひとつになってるって意味でも、ちょっと面白いな、と。まぁ、一般的なソックスに比べれば値段自体はちょっと張るけど、コスト・パフォーマンスって意味では決して高くないっていうか、十分アリ。やっぱり、足下をちゃんと見ないとな、なんてことも思ったりして。

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