2009/07/30

Cool atmosphere.

"On the Seventh: Park Hyatt Chicago" Presented by KING BRITT 
(Milan Records) 

スッカリ夏真っ盛りで、毎日、(晴れようが晴れまいが)クソ暑い日が続いてるわけで、個人的には、暑いなら暑いで、それはそれでいいというか、エアコンなんかかけずにアイスとか喰いながらグダグダするのがいいかな、なんて思ったりしてる(仕事する気はしないけどね)んだけど、まぁ、こんなときはブラジリアンとかレゲエとかサーフ・ミュージック系とか、いかにも「暑い時期」って感じの音か、もしくは涼しげな音を聴きたくなるもんで、この "On the Seventh: Park Hyatt Chicago" は後者に当てはまる 1 枚。リリースはちょっと前なんだけど、こんな時期にピッタリかな、と。

タイトルに 'Park Hyatt Chicago' とある通り、シカゴのパーク・ハイアット・ホテル、特に NoMI レストラン / ラウンジ / ガーデンのある 7F をイメージして 2004 年にリリースされたコンピレーションで、手掛けてるのはキング・ブリット。まぁ、もちろん、シカゴのパーク・ハイアットには行ったことはないけど、かなりオシャレでセレブな空間らしく、しかも、オシャレでフューチャリスティックなアフロ・アメリカン・ミュージックを得意とするキング・ブリットってことで、まぁ、相性がバッチリなのは予想はできたけど、予想以上にいい感じな仕上がりなんで。

キング・ブリットは、アメリカでも屈指のミュージック・シティ(って、なんか変な言葉だな)のひとつ、フィラデルフィアの 1990 年代以降のシーンを代表するDJ / プロデューサー。キャリアのスタートはディガブル・プラネッツの DJ だったりすることからもわかるように、ヒップ・ホップをルーツのひとつとして持ちつつも、ハウスやテクノ、ジャズ / クロスオヴァー的なサウンド・プロダクションをメインに、同郷のザ・ルーツとかアースラ・ラッカーとか、ヒップ・ホップ / R&B 的なシーンともいい感じの距離感を保ちながら活動してる、いそうでなかなかいないタイプの希有なアーティストで、デビュー当初から常にチェックし続けてるアーティストのひとりだったりする。個人的な面識もあったりするけど、ピースでナイスでインテリでオシャレでユニヴァーサルなセンスを持ってて、なんか、すごくフューチャリスティックなアフロ・アメリカンってイメージだったりする。

この "On the Seventh: Park Hyatt Chicago" は、'Presented' って表記されてることからもわかる通り、キングが選曲をしてるんだけど、いわゆるミックス CD ではなく、でも、曲間が空いてるわけでもなく、曲と曲の間がスムースにつながるように、いい感じにシークエンスが組んであるって内容のコンピレーション。全体を通して気持ちよく聴けるんだけど、ミックス CD よりもそれぞれの曲がキチンと認識しやすくて、でも、全体としての統一感も取れてる、って感じ。

サウンドは、個人的には「水中系」とか呼んでるんだけど(ホントか?)、プールとか海の中を気持ちよく漂ってるような、無機質でクールな感触とソウルフルさが絶妙なバランスで、フューチャリスティックなサウンドの中に共存してるディープでソフィスティケイトされたサウンド・ディレクション(キング自身の名義で言えば、スキューバっぽいサウンドって言えるかな)。収録アーティストは、自身のシルク 130 名義とスキューバ名義の作品はもちろん、同郷のヴィクター・デュプレや朋友のジョシュ・ウィンクをはじめとして、イヴァナ・サンティリ、クララ・ヒル、スペーセック、サー・ラー等、ジャンルを超えて、でも、何か共通項を感じさせる絶妙のセレクトで。もちろん、みんな、キングとの関係も深いし。

まぁ、ただのコンピレーションって言っちゃえばただのコンピレーションなんだけど、いい意味で、「すごくいい、ただのコンピレーション」って言えるのかも。小難しいコンセプトとかウンチクとか抜きにして、すごくすんなり、素直に聴いて楽しめるというか。こういうのの選曲って、出来上がったのを聴くとそんな感じはしないけど、実は作るのは難しいし、実際、世の中にコンピレーションは腐るほどあるけど、いいモノって実はすごく限られてるし。まぁ、さすがはキングって感じ。わかっちゃいたけど、やっぱ、センスいいな、と。


* SYLK130 "For Love" (From "On the Seventh: Park Hyatt Chicago")
 





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