Claude Lévi-Strauss (1908 - 2009)
もう何日も経っちゃったけど、前にレビューした『サンパウロへのサウダージ』の著者であり、文化人類学者・社会人類学者・思想家のクロード・レヴィ=ストロース(写真は 1935 年にブラジルで撮影されたモノ)が 10 月 30 日に亡くなった。享年、なんと 100 歳。11 月 28 日に 101 歳になる直前の死だったってことになる。
レヴィ=ストロースっていえば、一般的には「構造主義の祖」として知られてて、「20 世紀の思想家で最後の巨匠」って言われてる人物。まぁ、肩書きが「思想家」って時点で既にメチャメチャカッコイイなぁ、とか思っちゃうんだけど、個人的に一番シックリきたっていうか、グッときちゃったのは「ブリコラージュ」かな、やっぱ(そういえば、アモン・トビンのアルバムとか坂本龍一さんのリミックス・アルバムのタイトルになってる言葉でもある)。まぁ、概要はウィキペディアでも、詳細は 1962 年の名著『野生の思考』なんかを参照って感じだけど、理論や設計図に基づいてモノを作る「エンジニアリング」とは対照的なモノ作りのカタチとしての「ブリコラージュ」に、なんか、すごくプリミティヴな、ちょっとヒップ・ホップ的なフレイヴァーを感じちゃうんで。前に仕事で関わってたプロジェクトのコンセプト作りの大きな参考にもなったりしたし。計算とか打算とかとは違う次元にある、プリミティヴなクリエイティヴィティのカタチみたいなイメージかな。ちょっとラフで、乱暴で、でも、パワフルで、人間的で。そういう、なんか小細工抜きな感じが、すごくヒップ・ホップ的な感じがして、すごくいいな、と。一般的には、レヴィ=ストロースとか「ブリコラージュ」がそういう文脈で語られることはないと思うけど(見たことないし)、でも、個人的には、なんかシックリくる感じがする。
あと、やっぱりブラジルとの親和性も親近感を感じちゃうところではある。名著の誉れ高い『悲しき熱帯 I / (同) II』はもちろん、前にレビューした『サンパウロへのサウダージ』もブラジルもそうだし。なんか、ブラジルと縁があるらしく、しかも、全然ブラジル絡みの文脈で興味を持ったんじゃないのに、ブラジルでつながった感じも、なんかちょっと因縁めいてて気になるな、と。
あらためて、享年 100 歳。死因は報じられてないっぽいけど、まぁ、寿命っつうか、大往生っつうか、人生を全うしたって言って差し支えないのかな。まぁ、まだまだ勉強されてもらいたいこともたくさんあるし、今の自分の周りで起こっていることなんかに応用可能なことはいくらでもありそうだし。肉体は死しても遺した作品は死なないので、これからも、ことあるごとにいろんなところで引っかかりそうな予感はしてる。 ー R. I. P.
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