2008/05/08

Roots up, roots down.

THE ROOTS "Rising Down" (Def Jam) 

常にクオリティの高い音楽を生み出し続ける街、フィラデルフィアの 90 年代以降を代表するアーティストであり、常に地に足をつけた活動でヒップホップというアート・フォームをひとつ上のレベルに押し上げた 'バンド' としても評価が高いルーツのニュー・アルバム。タイトルはウィリアム・T・ヴォルマンが暴力をテーマに著した小説 "Rising Up And Rising Down: Some Thoughts On Violence, Freedom And Urgent Means" から引用してて、1992 年にロス暴動が起こった日付である 4 月 29 日にリリースされた、これまでになく政治色の強い作品。エリカ・バドゥの新譜もそうだったけど、そういうことに意識的にならざるを得ないのが今のアメリカなのかな。

個人的にはルーツの最高傑作は '99 年の "Things Fall Apart" だと思ってるんだけど、今作もそれに勝るとも劣らないなかなかの力作。テーマがテーマだけに、わりとラフなというか、ザラザラしてて激しい印象の曲調が多いかな。シンセ系のキーボードを多用してるのも特徴。モス・デフコモンなど、間違いのないゲストも参加。

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