『ヴィンランド・サガ 10 巻』 幸村 誠 著(講談社) ★★★★☆
Link(s): Amazon.co.jp 前から新刊が出るたびにレヴューしてる幸村誠の第 2 作目、『ヴィンランド・サガ』の最新巻。月刊『アフターヌーン』に連載されてることもあり、発刊のペースはかなりゆっくりな印象で、去年の 9 月以来の新刊ってことになる。
この『ヴィンランド・サガ』は、読み切りとして『モーニング』に発表されたデビュー作『プラネテス』 の第 1 回に偶然出会って以来、一気にファンになっちゃった幸村誠の第 2 作目で、当初、週刊誌、しかも少年誌の『少年マガジン』で連載が開始され、余計なお世話ながら「大丈夫か?」と心配してたら、案の定(?)月刊『アフターヌーン』に移籍したという経緯を持つ作品。
ヴァイキングの時代のヨーロッパを舞台に、主人公の男の子・トルフィンを軸にしつつ、戦争に明け暮れた時代の戦士像、さらには人間像や生き様のようなモノを描いたモノで第 13 回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞作品なんだとか。
これまでの流れとしては、トルフィンが父親の仇を討つことだけを目的に生きてきたのが第 1 部(って明記されてるわけじゃないけど)で、父親の仇が死亡したことで生きる目的を失い、奴隷になっているのが 8 巻から始まった '奴隷編' なんだけど、奴隷編に入って以降、状況が淡々と描かれるだけで、その背景にあるテーマみたいなモノについては、あまりキチンと描かれてなかった印象だった。それが、この 10 巻にやっと輪郭がボンヤリと見えてきた感じかな。
トルフィンが闘いに明け暮れる中で何を得て、何を失い、父親の仇がいなくなったことで、どういう心境であり、どういう思いに苛まれていて、これからどのように生きていくのか。まぁ、要するに、こういうことが描かれてくことになると思うんだけど、まぁ、これは時代や国を超えたユニヴァーサルなテーマなわけで、これからどういう風に展開してくのか、素直に楽しみ。まぁ、続きはまた半年後ってことになりそうだけど。
*既発巻:
『ヴィンランド・サガ 1 巻』/『ヴィンランド・サガ 2 巻』/『ヴィンランド・サガ 3 巻』/『ヴィンランド・サガ 4 巻』/『ヴィンランド・サガ 5 巻』/『ヴィンランド・サガ 6 巻』/『ヴィンランド・サガ 7 巻』/『ヴィンランド・サガ 8 巻』/『ヴィンランド・サガ 9 巻』
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