2010/06/01

Lost man's lost story.

『MOONLIGHT MILE 20 巻』 太田垣 康男 著 (小学館)  
 Link(s): Amazon.co.jp

これまでに 16 巻17 巻18 巻19 巻レヴューしてきたMOONLIGHT MILE』の最新刊。19 巻の発売が年末だったから、約半年ぶりの新刊ってことになる。やっぱり、ちょっと久々感は否めないし、ちょっと忘れちゃってるところもある。

概要は
18 巻レヴューに書いた通りなんだけど、ストーリーは 既に第 2 部に入ってて、地球ではインドとパキスタンの全面核戦争が起こってて、月面で生まれた「ムーンチャイル ド」が幼少期を終えて少年期を迎えてるって時代。月開発が(一見)華々しく進む反面、中国との新たな冷戦構造もあり つつ、核戦争で住む場所を追われた大量の移民が月に流入し、華々しい(でも、 全面的に管理が行き届いた)表の世界だけじゃなく、裏の世界=ファヴェーラも形成されているような、そんな月社会のアンダーグラウンドを人類史上初のムーンチャイルドを中心に展開して いく、なかなかスリリングな展開を見せてる。

19 巻のレヴューでも書いた通り、第 1 部がかなりリアリスティックな 'わりと具体的にイメージできる近未来' として SF って感じだったのに対して、第 2 部はもっとブッ飛んだ感じの SF っぽくなってきてて、この 20 巻もその流れではあるんだけど、表紙のイメージからもわかる通り、第 1 部と第 2 部の間の語られていなかった「ロストマンの失われたハナシ」に言及されてる(っていうか、言及され始めた)んで、かなり面白い展開になってきた印象。まぁ、実際に面白くなるのは次の巻っぽくて、ちょっとジラされてる感じのところで終わっちゃうんだけど。

まぁ、
読者の期待をいい意味で裏切るようなアッと驚く展開も随所にあるんで、読んでて飽きないし、一気に読めちゃうのは相変わらずなんだけど。やっぱり、エンターテインメントとしてのレベルというか、完成度が高い。


*既発巻:


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