2009/07/06

Freaky future funk.

THE SA-RA CREATIVE PARTNERS "Nuclear Evolution: The Age of Love" 
(Ubiquity  Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

ピンクのアートワークがインパクト抜群のサー・ラーことザ・サー・ラー・クリエイティヴ・パートナーズ(ってカタカナで書くとすごく変な感じ)のニュー・アルバムが西海岸を代表する優良レーベル、ユビキティから登場。まぁ、この組み合わせだけで、ほぼ間違いないって言ってもいい感じなんだけど、その期待を裏切らないなかなかの仕上がり。

サー・ラーは LA をベースにする 3 人組のプロダクション・ユニットで、一応、一般的にはヒップ・ホップってことになってるけど、いわゆるメインストリームのヒップ・ホップとは違う、かなり変人なサウンドが特徴。個人的には、いわゆる直球なヒップ・ホップ・ユニットってイメージはあまりなくて、もっと掴みどころがないような、デトロイトとかフィリーとか NYC とかヨーロッパとかの、もっとエレクトロニックも入っててハイブリッドなアーティストに近い印象かな。

例えば、アンプ・フィドラーとか、ちょっと音のタイプは違うけどキング・ブリットとか、もっと言っちゃえばセオ・パリッシュとかムーディマンとかみたいなところもちょっと感じるような。まぁ、BPM は遅いし、ヒップ・ホップっていえばヒップ・ホップなんだけど、個人的にはヒップ・ホップっていうよりもファンク、それこそ P- ファンクに通じるような、変人なファンクネスを感じる。ちょっとスペーシーでフューチャリスティックな感じとか、ちょっと奇抜なファッションとかも、まさに P- ファンクっぽいし。あと、もちろん、名前の由来にもなってるサン・ラとか、そういう感じもあるけど。

この "Nuclear Evolution: The Age of Love" って何やら意味深なタイトルの今作は、ディスコグラフィ的には 2007 年リリースの "The Hollywood Recordings" に続くセカンド・アルバムってことになる。なんか、EP とかミニ・アルバム的なリリースがけっこうあったから、まだ 2 枚目って感じはしないんだけど。でも、"The Hollywood Recordings" は既発曲の寄せ集めっぽい感じもあったから、ある意味ではファースト・アルバムって言えるのかも。最大の特徴は、ラッパーをフィーチャーした「いわゆるヒップ・ホップ」的なトラックがない点で、エリカ・バドゥのワン & オンリーなヴォーカルをフィーチャーしてたり、ゲーリー・バーツ・カルテットと共演してスペーシーなジャズを披露したりしつつ、遅めの BPM でジワジワと迫る濃密なファンク満載のボーナス CD 付き・全 23 曲っていうなかなかのヴォリュームで、得意のフューチャリスティック・ファンクを展開してる。ただ、ちょっとカワイイブラジリアン・テイストの "Spacefruit (Feat. DEBI NOVA)" とか、アリシア・キーズの共作者・親友として知られるエリカ・ローズのラヴリィなヴォーカルを聴かせる "My Star" とか、ちょっとオシャレなところも見せたりしてて、なかなか侮れない。

まぁ、フューチャリスティックでスペーシーで、遅めのビートでジワジワ迫るような中毒性の高いドロドロとしたファンクネスっていうサー・ラーの魅力が詰まったかなり「濃い」1 枚であることは間違いないし、今年リリーズのアルバムではかなりお気に入りなアルバムかも。


THE SA-RA CREATIVE PARTNERS "My Star (Feat. ERIKA ROSE)"
(From "Nuclear Evolution: The Age of Love")




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