2010/05/26

Young mods' forgotten stories.

"KEB DARGE & PAUL WELLER Present Lost & Found Real R'N'B & Soul" 
(BBE)  Link(s): Amazon.co.jp

良心的な作品を数多くリリースしてるレーベルとして人気の BBE が今年の初めにリリースしてた、なかなか渋いコンピレーション。リリース当初にチェックしてたんだけど、レヴューし忘れてたのを思い出したので。

まぁ、内容的にはタイトル通りで、ケブ・ダージの手掛ける 'Lost & Found' シリーズにポール・ウェラーを迎えて編纂されたレア・ソウル / R&B のコンピレーション。ケブ・ダージとポール・ウェラーっていうと、60 〜 70 年代の洗練されたノーザン・ソウルなイメージが強いけど、ここでセレクトされてるのは、もうちょっと泥臭いソウルと R&B。時代的には 50 〜 60 年代で、地域的にもノーザン・ソウルだけじゃなくサザン・ソウルも含まれてて、サウンド的にも、クールで洗練されたいわゆるノーザン・ソウル的なサウンドっていうよりも、もっと泥臭くて土臭くて汗臭いソウルな印象かな。

70 年代のノーザン・ソウルとかサザン・ソウルとかファンクは、今でもたびたびいろんなカタチで取り上げられることが多いけど、この時期のこういうサウンドって、最近なかなか取り上げられることはないから久しぶりに聴いたんだけど、これがなかなか新鮮で。アートワークのイナタい写真もイメージにピッタリだし。こんなビミョーな写真、なかなか使えない(選べない)から、フツー。

ブッチャけ、今の音楽シーンのコンテキストの中でこの手のサウンドがどれくらい受け入れられるかって言われると、正直、ビミョーだなぁと思ったりはするけど、それでもこんなのを作っちゃうところも好感が持てる。まぁ、この 2 人なら十分成り立つと思うし。

ケブ・ダージは 80 年代から活動してるスコットランド人のノーザン・ソウル DJ で、それこそ、90 年代のアシッド・ジャズとかレア・グルーヴ・シーンでも重要な役割を果たした、ロンドン・アンダーグラウンド・ソウル / ジャズ・シーンのキー・パーソンのひとり。もう一方のポール・ウェラーはもちろん、言わずと知れたモッド・ゴッドファーザーなわけで、ソウル・ミュージックへの造詣が深いことは周知の事実。そんな 2 人によるセレクトなんで、まぁ、選曲は間違いない。'Lost & Found' っていうだけあって、知らない曲ばっかりだけど、それもまた良しだな、と。

なんか、聴いてると、ゴキゲンでありながら、ちょっと甘酸っぱい気分になってくるから不思議。まぁ、今のシーンな中では、なかなかスポットライトが当たりにくそうなサウンドなだけに、誰にでもオススメかって言われるとビミョーだし、マニアックな内容だとは思うけど、すごくナイスな企画であることは間違いない。



THE RADIANTS "Ain't No Big Thing"
(From "
KEB DARGE & PAUL WELLER Present Lost & Found Real R'N'B & Soul")









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