(Fabric) ★★★★☆ Link(s): Amazon.co.jp
リリースは今年の始めで、リリース後、わりとすぐにゲットしてて、しかもかなり愛聴してるのにレヴューし忘れてた 1 枚を。元バッド・カンパニーの D・ブリッジが 2 人組プロデューサーのインストラ・メンタルと "Fabliclive" シリーズの第 50 弾としてリリースしたミックス CD で、D・ブリッジが中心となって提唱してるスタイル、'オートノミック' の世界観を表現したショウケース的な作品。DJ AKi くんに教えてもらって以来、かなりお気に入り。
サウンド的には、最近のクラブ・ミュージック・シーンのバズ・ワードのひとつであるダブ・ステップ的って言えばいいのかな? D・ブリッジとのインストラ・メンタルの出自でもあるドラムンベース的な音色とか構造とか制作手法を応用しつつ、テンポを落として音数を減らして、より '隙間' のあるサウンド空間を構築してるような印象。ダビーでテッキーでアブストラクトなんだけど、同時に、わりと洗練されてて、ちょっとチルアウト〜アンビエントなんかにも通じるようなメロウな音の世界観。それをD・ブリッジは 'オートノミック(autonomic)' って呼んでる、と。
正直なところ、ダブ・ステップって、個人的には、なんかイマイチピンときてなかったりするんだけど(イマイチ実態の掴めない感じに、イギリスの音楽メディア得意のマーケティング主導的な胡散臭さを感じなくもないで)、まぁ、この手のサウンド自体は、アブストラクト・ヒップ・ホップ的なモノからテクノ〜エレクトロニカ的なモノまでわりと好きなんで、わりとシックリきたし、個人的には、緩めの BPM と音数の少なさがすごく好み。今にして思うと、D・ブリッジの兄弟のスペーセックのサウンドとか、ちょっとそのプロト・タイプ的な感じだったのかも? とか思ったりして。2001 年リリースの "Curvatia"(アマゾンで購入可能)も 2003 年の "Vintage Hi-Tech"(アマゾンでも iTS でも購入可能)も 2005 年の "Space Shift"(iTS で購入可能)もイギリス的なアブストラクト感とアメリカ的な R&B 感が絶妙な感じでブレンドされた面白いアルバムだったんで。
ファブリックは 1999 年にオープンしたロンドンのシーンを代表するクラブで、この "Fabriclive" シリーズは同名のレーベルの看板シリーズとも呼べるコンピレーション。2001 年にリリースされた第 1 弾を手掛けたのはジェームズ・ラヴェルで、その後、いろいろなアーティストが手掛けてるんだけど、主にブレイクビーツ〜アブストラクトなアーティストがメインで、わりとドラムンベース勢が多いのが特徴かな? ある意味、すごくロンドンらしい。もうひとつ、"Fabric" ってシリーズもあるんだけど(ちょっと紛らわしい)、こっちはトニー・ハンフリーズとかカール・クレイグとかルーク・スレイターとかロバート・フッドとかアクフェンとかジョン・ディグウィードだったりするんで、どっちかっつうとテクノ〜ハウス寄り? まぁ、けっこうビミョーな区分だとは思うけど。ファブリックにはオープン直後に一回、行ったことがあるけど、こんな風に何十枚も CD を出すようなクラブになるなんて、ちょっと感慨深い感じもしたりして。
まぁ、暑い夏っていうよりは、これからの季節のほうがシックリくるサウンドでもあるし、夜とか、バッチリハマるんで。個人的には夜中にランニングするときにもよく聴いてたりするし。下に貼ったのは発売前に公開されてたプロモーション用のダイジェスト的なミックスなんで、これを聴けばオートノミックのクールな世界観は感じられるはず(他にもポッドキャストで聴いたり、RINSE FM で番組とかでオートノミックのサウンドを聴ける)。
"Fabliclive 50 Promo Mix"
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