2010/10/11

By all matters necessary.

BILAL "Airtight’s Revenge" (Plug Research) 
Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

フィラデルフィア出身のシンガー・ソングライター、ソウルクエリアンズの一員としても知られるビラルの約 10 年ぶりのセカンド・アルバ

正直なところ、聴く前に約 10 年ぶりのアルバ
ムって時点でちょっとビックリ。いろいろと客演でよく目に(耳に)してたんで、全然そんな感じはしなかった。でも、あらためて確認してみたら、確かに 2001 年リリースの "1st Born Second" 以来。2006 年に、本当はセカンド・アルバムとしてリリースされる予定だった "Love For Sale" がお蔵入りになってるんだけど(なんでも、インターネットでリークされたのが原因だとか?)、それにしても久々の自身のアルバムで、わりと好きなアーティストだったにも関わらず、言われるまで気付かなかったことには、我ながらちょっとビックリだったりして。

まぁ、そうは言っても、個人的にはちょっと紛らわしい存在のアーティストだったりするのも事実なんだけど。なんか「ディアンジェロマックスウェル以降に出てきた男性アーティストのひとり」的な印象はあって、でも、ディアンジェロとマックスウェルに比べるとちょっと小粒な印象というか。このビラルだけじゃなくて、ドゥウェレとかミュージック・ソウルチャイルドとかヴィクター・デュプレとか、こないだザ・ルーツとの素晴らしい共演盤をリリースしたジョン・レジェンドとかもそうなんだけど。いわゆる 'ネオ・ソウル' っていうか(もはや死語だな、'ネオ・ソウル' って)、ショウビズ的な R&B とは一線を画した、70 年代のソウル・フレイヴァーを感じさせるヒップ・ホップ以降の R&B シンガーというか、そういう印象なんだけど、やっぱり、ディアンジェロとマックスウェルは別格で、2 人と比べるとちょっとスケールの小ささは否めなくて。だから、ちょっと紛らわしいというか、イマイチ個性がハッキリしてない印象だった。

だからと言って嫌いなわけじゃなくて、実はこのセカンド・アルバムも結構気に入ってる。インディのプラグ・リサーチからのリリースなんだけど、ビラルくらい実力があって、(数多くの客演を通じて)人脈のあるアーティストなら、少なくともクオリティ的にはメジャーでもインディでも関係ないことを実感させてくれる。細かいクレジットはあまり気にせずチェックしたんだけど、なんか、ちょっとプリンスっぽい? ちょっと変態的で尖った印象のサウンドかな。曲も、オーソドックスな R&B マナーってよりも、ちょっくクセがある感じの曲が多くて。いい意味でちょっと意外な感じというか、耳に引っかかる印象。もう、けっこう何度も聴いてるし。

あと、引っかかるって言えば、アートワークももちろん引っかかる。だって、まんまマルコム X だし、ブギー・ダウン・プロダクションズの "By All Means Necessary" だし。まぁ、期する想いは伝わってくる感じがするけど。



BILAL "All Matter'" (From "
Airtight’s Revenge")










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