この夏のかなりの愛聴盤だったのに、レヴューし忘れてた 1 枚で、砂原良徳の待望の新作なんだけど、フル・アルバムではなく 4 曲入り EP。でも、まったく期待を裏切らない仕上がりというか、砂原良徳ならではのワン & オンリーの音の世界が展開されてる。
ディスコグラフィ的には、前作の "Lovebeat" のリリースが 2001 年で、去年、映画『ノー・ボーイズ・ノー・クライ』のサウンドトラックを手掛けてるものの、オリジナル作品としては 9 年ぶり。まぁ、ライヴ活動や DJ なんかを積極的に演ってるアーティストならともかく、プロダクションをメインに活動してるアーティストとしては、やっぱり相当久しぶりだって感は否めない。まぁ、そういう世捨て人っぽい感じも、本人のイメージにはピッタリなんだけど。
サウンド的には "Lovebeat" で披露したミニマル・ファット路線っていうか、音数こそ少ないものの、ひとつひとつの音が研ぎ澄まされててパワフルな印象。いわゆるテクノって感じではないし、BPM 的にもそれほど速いわけじゃないし、そもそもダンス・ミュージックであることの必然性を意識してるわけでもなさそうだし、なかなか一言では言い表せないタイプのサウンド。まぁ、エレクトロニカっていうか、オリジナリティ溢れるエレクトロニック・ミュージックってことになるかな。タイトル通りな 'サブリミナル' 的な要素は強くて、フレーズも音響も '間' の取り方が独特で、個人的にはすごくツボだったりして。他の誰とも違うサウンドを作り出しているユニークなアーティストであることは間違いないし、実は個人的には一番好きな日本人プロデューサーかも。
フル・アルバムは来年初旬頃までにはリリースするつもりらしいんで、それはそれでスゲェ楽しみなんだけど、コレはコレでさすがの仕上がりというか、やっぱりワン & オンリーだって印象をあらためて実感させるには十分な 1 枚。こういうアーティストが存在してること自体もすごくいいことだと思うし。
* 砂原 良徳 "Subliminal" (From "Subliminal")
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