前にレヴューした "The Sun Still Rises In The East" に続いて、これも 311 の支援コンピレーションで、これまでも何度かレヴューしてる MAKOTO が主宰するレーベル、ヒューマン・エレメンツ(Human Elements)のデジタル・レーベル、HE:Digital からのリリース。収録音源は、日本人のドラムンベース・アーティストの曲(または日本人アーティストと海外アーティストとのコラボレーション)で、発案から 2 週間でカタチにしたにも関わらず、全曲未発表音源っていうなかなか豪華。企画意図だけじゃなく、純粋に音源としてもかなりいい仕上がりになってる。既に Bandcamp からリリースされてて("The Sun Still Rises In The East" にも使われてた Bandcamp は即日リリース可能なんだとか)、iTunes Store や beatport も追って今週にはリリースされるはず(詳細はオフィシャル・サイトで)。
実は、個人的にも企画自体をちょっとだけ手伝ってて、収録アーティストはもちろん、アートワーク・デザインとかコンセプト映像とかオフィシャル・サイトも知り合いが作ってたりするんで、ちょっと内輪っつうか当事者っつうかな感じではあるけど、そういう部分を抜きにしてもなかなか聴き応えのある内容に仕上がってる。
収録曲で一番多く関与してるのはレーベルの主宰者でもある MAKOTO。海外アーティストとのコラボレーションが多いのも、海外のシーンでも広く知られてて、特にプロデューサーとしての評価は抜群の MAKOTO の面目躍如といったところ。コラボレーション・トラックもリミックスもさすがのクオリティなんだけど、個人的に気に入ったのはイギリス人女性 MC の DEEIZM をフィーチャーした "Rising Up"。ラップも歌もこなす DEEIZM は MAKOTO がグッド・ルッキングにいたときからのパートナーで、そもそもの成り立ちとしてレゲエ / ヒップ・ホップな流れの強いマチズモなタイプの MC が多いドラムンベース・シーンではちょっと珍しい存在。トラックもドラムンベースではなくヒップ・ホップくらいの BPM で、DEEIZM のヴォーカル / ラップも、'アクセントとしての MC' ではなく、完全に 'ヴォーカル' としてフィーチャーされてるんだけど、一言で「何かっぽい」って言いにくいような、なかなか面白い出来映え。同じく非ドラムンベースで、ちょいフュージョン風味(なのか?)な "Summertime Blues" もそうだけど、あらためて、純粋にプロデューサーとしてのクオリティの高さをまざまざと見せつけてくれてる。
他のアーティストで気になったのは、MAKOTO と共にこのコンピレーションの A&R を務めた VELOCITY の "Ladder"。日本人女性 MC の KEY MC をフィーチャーした、すごくさわやかなドラムンベース・トラックなんだけど、疾走感と開放感がなかなかいい感じ。
MAKOTO と並んで日本のドラムンベース・シーンを代表するアーティストである DJ AKi くんは、プロダクションのパートナーでもある TAKEO くんと制作したオリジナル・トラックで、"Nike+ Basic Run [SPEED] Mixed by DJ AKi" のオープニング・トラックだった "True Colors" で参加。"Nike+ Basic Run [SPEED] Mixed by DJ AKi" はミックス音源なので、この曲がミックスされてない状態でリリースされるのは今回が初めてってことになるはず。
あと、個人的にすごく気に入ったのが ENA の "Clone Flog"。ドープでアブストラクトなトラックで、音数が少なくてすごくシンプルなんだけどヘヴィーで中毒性が高い。テンポとかタイプは全然違うけど、BUN の "A Love Supreme" も似たような中毒性がある。どちらも、音のひとつひとつが研ぎ澄まされてて、それを独特のシークエンスに配置することで '隙間の美学' を生み出してるような感覚で。個人的には、この手のモノには滅法弱かったりするんで。
最後に、忘れちゃいけないのが、このコンピレーションのマスタリングを手掛けた Beau Thomas。Beau はもともと 3 人組ドラムンベース・ユニット、INTENSE のメンバーとして、 LTJ BUKEM 率いるグッド・ルッキングの中核を成してたアーティストで、今はロンドンの Masterpiece ってスタジオでマスタリング・エンジニアを務めてるらしいんだけど、Makoto の Facebook の書き込みでこの企画について知って、自ら無償でマスタリングをすると申し出てくれたんだとか。Beau がどういう形態で Masterpiece で働いてるのかは知らないけど、マスタリングって、本来は決まった額の金銭が確実に発生するはずの作業をこのために無償でやってくれたって意味では、実はすごい功労者って言えるのかも。しかも、頼んだわけでもないのに、自ら申し出てくれたんだから。ありがたいハナシだ。
まぁ、個人的には、自分より若い世代がこういう企画をカタチにしたってのがちょっと感慨深かったりしつつ、そんな彼らに手を貸してれって頼まれたのもちょっと嬉しいことだったりしたんだけど、そういう部分を抜きにしても、純粋になかなかいい出来映えのコンピレーションだし、今の日本のドラムンベース・シーンを知る上でのショウケースとしても良い作品なんじゃないかな、と。
実は、個人的にも企画自体をちょっとだけ手伝ってて、収録アーティストはもちろん、アートワーク・デザインとかコンセプト映像とかオフィシャル・サイトも知り合いが作ってたりするんで、ちょっと内輪っつうか当事者っつうかな感じではあるけど、そういう部分を抜きにしてもなかなか聴き応えのある内容に仕上がってる。
収録曲で一番多く関与してるのはレーベルの主宰者でもある MAKOTO。海外アーティストとのコラボレーションが多いのも、海外のシーンでも広く知られてて、特にプロデューサーとしての評価は抜群の MAKOTO の面目躍如といったところ。コラボレーション・トラックもリミックスもさすがのクオリティなんだけど、個人的に気に入ったのはイギリス人女性 MC の DEEIZM をフィーチャーした "Rising Up"。ラップも歌もこなす DEEIZM は MAKOTO がグッド・ルッキングにいたときからのパートナーで、そもそもの成り立ちとしてレゲエ / ヒップ・ホップな流れの強いマチズモなタイプの MC が多いドラムンベース・シーンではちょっと珍しい存在。トラックもドラムンベースではなくヒップ・ホップくらいの BPM で、DEEIZM のヴォーカル / ラップも、'アクセントとしての MC' ではなく、完全に 'ヴォーカル' としてフィーチャーされてるんだけど、一言で「何かっぽい」って言いにくいような、なかなか面白い出来映え。同じく非ドラムンベースで、ちょいフュージョン風味(なのか?)な "Summertime Blues" もそうだけど、あらためて、純粋にプロデューサーとしてのクオリティの高さをまざまざと見せつけてくれてる。
他のアーティストで気になったのは、MAKOTO と共にこのコンピレーションの A&R を務めた VELOCITY の "Ladder"。日本人女性 MC の KEY MC をフィーチャーした、すごくさわやかなドラムンベース・トラックなんだけど、疾走感と開放感がなかなかいい感じ。
MAKOTO と並んで日本のドラムンベース・シーンを代表するアーティストである DJ AKi くんは、プロダクションのパートナーでもある TAKEO くんと制作したオリジナル・トラックで、"Nike+ Basic Run [SPEED] Mixed by DJ AKi" のオープニング・トラックだった "True Colors" で参加。"Nike+ Basic Run [SPEED] Mixed by DJ AKi" はミックス音源なので、この曲がミックスされてない状態でリリースされるのは今回が初めてってことになるはず。
あと、個人的にすごく気に入ったのが ENA の "Clone Flog"。ドープでアブストラクトなトラックで、音数が少なくてすごくシンプルなんだけどヘヴィーで中毒性が高い。テンポとかタイプは全然違うけど、BUN の "A Love Supreme" も似たような中毒性がある。どちらも、音のひとつひとつが研ぎ澄まされてて、それを独特のシークエンスに配置することで '隙間の美学' を生み出してるような感覚で。個人的には、この手のモノには滅法弱かったりするんで。
最後に、忘れちゃいけないのが、このコンピレーションのマスタリングを手掛けた Beau Thomas。Beau はもともと 3 人組ドラムンベース・ユニット、INTENSE のメンバーとして、 LTJ BUKEM 率いるグッド・ルッキングの中核を成してたアーティストで、今はロンドンの Masterpiece ってスタジオでマスタリング・エンジニアを務めてるらしいんだけど、Makoto の Facebook の書き込みでこの企画について知って、自ら無償でマスタリングをすると申し出てくれたんだとか。Beau がどういう形態で Masterpiece で働いてるのかは知らないけど、マスタリングって、本来は決まった額の金銭が確実に発生するはずの作業をこのために無償でやってくれたって意味では、実はすごい功労者って言えるのかも。しかも、頼んだわけでもないのに、自ら申し出てくれたんだから。ありがたいハナシだ。
まぁ、個人的には、自分より若い世代がこういう企画をカタチにしたってのがちょっと感慨深かったりしつつ、そんな彼らに手を貸してれって頼まれたのもちょっと嬉しいことだったりしたんだけど、そういう部分を抜きにしても、純粋になかなかいい出来映えのコンピレーションだし、今の日本のドラムンベース・シーンを知る上でのショウケースとしても良い作品なんじゃないかな、と。
* "Something We Can Do" (HE:Digital)
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