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これまでにも既発巻をレビューしてきた『宇宙兄弟』の最新刊。こないだレヴューし忘れてた 12 巻をレヴューしたら、早くも 13 巻が登場。しかも、同じくずっとレヴューしてる『岳』に続いて、実写で映画化されるんだとか。まぁ、正直言うと、この傾向はどうかと思ってるけど。安易で悪しき傾向というか。もちろん、今の段階で映画の出来はわからないけど、どっちにしても、それぞれ違う表現なわけで、尺や世界観、グルーヴ感が違うモノだから、安易っつうくらいで、一見、易しい感じがして、むしろすごく難易度が高いと思うんで。実際、失敗してる例も多いし。もちろん、成功する可能せいもあることは否定しないけど。まぁ、映画は観ないと思うから個人的にはどうでもいいんだけど。
まぁ、コミック自体は映画化とは別のハナシなんで、気を取り直してコミックのハナシに戻ると、ストーリーはこれまでにもレヴューしてきた通り、天真爛漫でナチュラルでちょいニュータイプで天然も入ってる弟と、そんな弟を誇りに思いつつもコンプレックスも抱えててる兄の兄弟が共に宇宙飛行士を目指す物語。
今回は日本人初のムーンウォーカーとなった弟・ヒビトは地球に戻り、兄・ムッタはアメリカで訓練に励んでいるところなんだけど、そこに、2 人にとって大事な人物に大きな事件が起こって、その人を象徴する言葉として出てくるのが 'It's a piece of cake' って英語の表現。これは、実は 311 以降の今の日本の状況にも実はピッタリな言葉っていうか、大事なメンタリティな感じがして、もちろん、描かれたのは 311 以前だったんだけど、ちょっとグッときちゃう。ストーリー自体はどちらかというと地味な部分だったりもするけど、適度に 2 人のハナシが絡み合いながらもパラレルに進行しつつ、随所にグッとくるポイントがあって、思わず笑っちゃったり、ウルウルきちゃったりするんで、飽きさせずにあっという間に読ませてくれる。もちろん、これまで同様、電車の中とか人前で読むのは相変わらず危険。ネタバレになるんで詳細には触れないけど。
適度に笑わせながら、適度にグッとくる、そんな何とも言えない絶妙な 'ドライ・フィット' 感と、早く続きが読みたい期待感がいい感じで混在してる心地いい読後感は相変わらず。安定した満足度があって、安心して読める感じで、続きがますます楽しみ。
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