読み切りとして『モーニング』に発表されたデビュー作『プラネテス』の第 1 回に偶然出会って以来、一気にファンになってしまった幸村誠の第 2 作目の 6 巻。『プラネテス』も実はキチンとした連載ではなく、不定期連載的に掲載されていたし、筆は決して速くなさそうな印象だったのに、今作は当初、週刊誌、しかも少年誌の『少年マガジン』で連載が開始され、余計なお世話ながら「大丈夫か?」と心配してたら、案の定(?)月刊『アフターヌーン』に移籍したという経緯を持つ作品でもある。
ストーリーは、ヴァイキングの時代のヨーロッパを舞台に、主人公の男の子を軸に、戦争に明け暮れた時代の戦士像、ひいては人間像のようなモノを描いていて、こういう古代〜中世ヨーロッパモノって個人的にはあまり得意じゃないんだけど、全然問題なく読めてて、その辺は作者の人間の描き方の妙と言えるかな、と。
戦争が舞台なのでかなりバサバサと人が死ぬんだけど、読後感が悪くないのもこの作者の作品の特徴かも。無闇に重く描くんじゃなくて、でも軽々しく扱ってるわけでもなくて。わりとジワジワと進んできたストーリーで今回の 6 巻 でも、まだまだ、やっと盛り上がってきた、くらいな印象。今年の 1 月( 5 巻発売時)の作者のインタビュー(ちなみに、このインタビューは全 3 回の 3 回目で、第 1 回・第 2 回もなかなかおもしろい)によると、その時点でのストーリーは構想全体の 20% 程度、全部で 20 巻に収まればいいと思ってるということなので、まだまだこれからが楽しみな大河ドラマという感じ。
*既発巻:
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