2008/11/04

Mellow feeling from the Motor City.

DWELE "Sketches of a Man" (KOCH Records) 
Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

スイート・グルーヴ・フロム・デトロイトことドゥウェレのサード・アルバム。今年の夏前頃にリリースされてたんだけど、アートワークがビミョーだったからか、なんとなくスルーしちゃってた 1 枚。でも、もともと声質とかサウンド・プロダクションとかグルーヴ感とかはすごく好みだし、既発作の "Subject"・"Some Kinda..." もけっこう好きだったので、あらためて聴いてみたらやっぱり期待を裏切らない出来映えだった。

シンガー・ソングライターであり、自らプロデューサーでもあるドゥウェレだけあって、ほとんどがセルフ・プロデュースで全 20 曲。しかも、目立ったゲストも同郷のスラム・ヴィレッジくらいっていう、地味って言えば地味な、渋いアルバムって言えなくもないけど、それは別にクオリティを損なう要素ではなく、むしろ魅力を際立たせてる感じ。サウンドもヴォーカルも控え目で、イヤらしい過剰さがないメロウでオーガニックなサウンドが堪能できる(だからこそ、イギリス / ヨーロッパや日本のクラブ・ジャズ系でも人気があり、アメリカの R&B 世界ではイマイチメインストリームにはなり切れないんだろうけど)。

個人的なハイライトは "Open Your Eyes"。美メロ R&B の秀作。どっかで聴いたことあるなぁ、と思ったら "Detroit Soul: Real Soul Music from the Motor City" に収録されてた(2004 年にイギリスの Unisex Records からリリースされた素晴らしいコンピレーションで、ドウェレやスラム・ヴィレッジといった R&B 〜ヒップホップだけでなく、アンピ・フィドラーやインナーゾーン・オーケストラ a.k.a. カール・クレイグまで、ジャンルにこだわらずにデトロイトのリアルタイムのサウンドをセレクトしたセンス溢れる選曲が素晴らしい 1 枚。同じコンセプトで "Philly Soul: Music from the City of Brotherly Love"・"Philly Soul, Vol. 2: Music from the City Of Brotherly Love"・"New York Soul: Bite of Soul from the Big Apple"・"Atlanta Soul: Soulful Kinship from the Phoenix City"・"California Soul: New Wave Soul from the West Coast"・"London Soul: Soulful Rhyme from the Capitol City" もリリースされてて、どれもすごくいいセレクト。こういうのを作らせたら、やっぱイギリス人か日本人に限る)。あと、もうひとつ思い出すのは、この "Open Your Eyes" はボビー・コールドウェルのカバーだってこと。ボビー・コールドウェル自体はそれほど好きなアーティストってわけじゃないけど、R&B シーンにもたらした功績は絶大で、素晴らしいカバーが多いし、サンプリング・ソースとしても定番(個人的なお気に入りは "My Flame" 使いのザ・ノートリアス B.I.G. の "Sky's the Limit" とか "What You Won't Do For Love" 使いのモナ・リザの "Just Wanna Please U")。この曲もコモンの "The Light"(プロデュースはジェイ・ディー)でサンプリングされてたりするし。本人の作品はそれほどでもないのに、間接的にはちょこちょこ引っかかってくる不思議な存在。

ともあれ、全 20 曲、決して派手な出来映えではないけど、やっぱり、安心して聴ける。こういうアーティストがいるってことはすごく大切で、同時にとてもありがたいことだなぁ、と。
Motorcity

0 comment(s)::