2008/12/19

Time for hope.

"TIME (Vol. 172 No. 26 / Dec 29, 2008) Person of the Year 2008
(Time Inc.) ★★

アメリカの "TIME" 誌が毎年行っている 'Person of the Year' 特集号。表紙を見ての通り+大方の予想通り、バラク・オバマが選ばれてる。そのこと自体は何の驚きもないんだけど、内容というか、その取り上げ方や使ってる素材のクオリティがとても素晴らしい。ちなみに、ここで取り上げるのは実際の雑誌ではなく、ウェブ版。純粋にウェブ・コンテンツとしてのクオリティがとても高いと思うので。

まず、カバー・アートワークを手掛けてるのはオベイ(OBEY)でお馴染みのフランク・シェパード・フェアリー。1 月の時点で 'HOPE' をモチーフにしたアートワークを手掛けていることも考えると不思議なことではないんだけど、ストリート系のアーティストが "TIME"の 'Person of the Year' のカバー・アートワークを手掛けるなんて、ちょっと感慨深かったりもする(フランクのビデオ・インタビューがサイトで見れる)。

コンテンツは盛りだくさんで、ビデオでは他にもこれまでのオバマの歩みをシカゴにフォーカスを当ててまとめたものや、'Person of the Year'の選び方に関するインタビューなんかもある。また、過去に 'Person of the Year' に選ばれた人物とオバマの関係をまとめた表('Six Degrees of Barack Obama')があったり、さまざまなフォト・エッセイ('Obama's Nation of Hope' や 'Obama: The Collage Years'、'Barack Obama's Family Tree'、'From Emmett Till to Barack Obama')や Flickr に公開されたオバマをモチーフにした写真を集めたページなんかもあって、とても面白い。

もちろん、オバマ以外にも、他の候補者(いろんな意味で)話題の人々今年亡くなった人物今年を代表する写真(写真自体はもちろん、タイトルの付け方も秀逸。特にこれがお気に入り)なんかもあって、見応え(読み応え)十分。特集自体も、もちろん歴史もあるし、さすがのクオリティとしか言いようがないんだけど、ウェブ・コンテンツとして考えても、かなりの秀逸だと思うし、単なる消費物やその場限りの情報を垂れ流して(と言うより、埃のように積もって溜まってる感じか?)満足してる傾向が一層強まってるウェブの世界でも、これだけできるってのは素晴らしいことだな、と。

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