冷泉彰彦 x 糸井重里(ほぼ日刊イトイ新聞) ★★★☆☆

冷泉彰彦はアメリカ在住の作家で、著作も多く、個人的には村上龍の JMM の「from 911 / USA レポート」の印象が強いんだけど、著書を読んだことはないし、人と形もそれほどキチンと知ってたわけじゃなかった。糸井重里に関しては、前に『智慧の実を食べよう。』のレビューにも書いた通り、センスの良さはもちろん認めつつも、どっかで、いわゆる「業界」臭がするような、ある種のウサン臭さも感じてたりして、諸手を挙げて「好き」っていうのはちょっと抵抗を感じてたりもするんで、この対談はわりとフラットな状態で読んだんだけど、思いの外面白かったというか、冷泉彰彦氏のいいコメントを引き出してる部分も含めて、やっぱ面白い感覚というか、面白いモノの見方をすることは認めざるを得ないなぁ、と。
英語のハナシとか、ミシェルのアニキのハナシとか、就任式でのオバマの表情のハナシとか、アメリカ人の感覚と呪縛のハナシとか、直接ロジカルな理解や評価に関わるような部分ではない細かい部分だけど、実は感覚的にはけっこう大事なポイントを突いてて、すごく面白い。そこになんとなく漂ってるヴァイブって言ってもいいのかな。数値化されるデータだけでは見えてこない部分を補うのは、そういう部分だと思うし、そういうところを無視して文化なんて理解できないと思うんで。数値化と効率化を美徳とするような昨今では見落とされがちな部分だけど、実はすごく大事だな、と。そういうところを絶妙に(時にはイヤらしく?)突いてくる感覚が、糸井重里のすごいとこなんだと思うし、何だかんだ言って、やっぱり気になるというか、気にしてるつもりはなくても、たびたびアンテナに引っかかってくるから不思議だなぁ、と。
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