2009/07/25

Watch football. Talk football.

J Station

.ひかり TV

どんなキッカケでいつ頃から観るようになったのか、全然覚えてないんだけど、たぶん去年くらいから(?)観るようになったひかり TV のインターネット・サッカー番組。地上波サッカー番組が軒並み痛々しいことになってる昨今、すごくありがたい存在だし、何気にけっこう楽しみにしてたりする。

この
J ステーション』は「サッカー番組」というよりも、厳密には「J リーグ番組」で、サッカー解説者の宮澤ミッシェル氏が司会を務め、毎回ゲストにもうひとりサッカー解説者をゲストに迎えて、毎節 2 試合、J1 の試合をピックアップしてダイジェストを観ながら語るパートをメインに、J1 の他の試合の全ゴール・シーン + 結果、J2 の全試合のゴール・シーン + 結果、その節の MVP の発表と次節の展望等、そしてゲストに因んだ昔の試合の映像等って構成の 1 時間番組。毎週、水曜か木曜くらいに前の週末の試合を取り上げてて、左上の写真はちょうど今週アップされた回のキャプチャで、ゲストは木村和司氏。ゲストの人選はとてもヴァラエティに富んでて、木村和司氏とか金田喜稔氏といったお馴染みの解説者はもちろん、加茂周氏のような大御所から名波浩氏みたいにごく最近まで現役だった選手、さらにはレフリーの上川徹氏まで、いろいろな経歴・タイプの人が登場するのですごく面白い(参考までに、今シーズンのこれまでのゲストは以下の通り(敬称略):福西崇史 / 柱谷哲二 / 金田喜稔 / 相馬直樹 / 水沼貴史 / 山本昌邦 / 野々村芳和 / 本田泰人 / 早野宏史 / 森山泰行 / 都並敏史 / 上川徹 / 名波浩 / 小倉隆史 / 加茂周 / 前園真聖 / 木村和司)。去年とか、川崎の監督復帰直前の関塚隆氏も出たりしてたし。

ミッシェルさんも、まぁ、ちょっとノリが軽いところはあるけど、元選手としては喋りもすごく上手だし、熱心に J リーグを(J2 も含めて)観てるし、各年代の経歴の異なるゲストの魅力や得意ジャンルを上手く引き出してて、解説的な部分だけじゃなく、進行役としてもなかなか上手に務めてる。ゲストもそれぞれ、それなり以上のキャリアのある人たちなんで、さすがに言うことはなかなかの含蓄があるし、やっぱり 1 時間たっぷり時間があって、なおかつウェブだからか適度にリラックスしてて、他のメディアではなかなか聞けないような話が聞けたりもする。ちなみに、今週のゲストの木村和司さんは「暑い夏は…、サッカーはせんほうがいいな。パフォーマンスは落ちる。海とかプールに行ったほうがいい」とか「やっぱ、ゴール前の攻防は面白いわ。中盤の攻防はそれほど面白くないわな」なんて言ってたりして。オイオイ! って、つい突っ込みたくなっちゃう。

やっぱり、何がありがたいって、J リーグをメインにキチンと 1 時間を使っていること。まともな J リーグのダイジェスト番組がないことは、J リーグ発足から 10 年以上経った今でも相変わらず日本サッカーが抱え続けてる問題なので。普通、どこの国でも地上波で当日の夜〜深夜とかにその日の試合について「あーでもないこーでもない」って 1 時間とか 2 時間とかやるのが世界的な常識なんだけど、日本にはいつまで経ってもそんなものはできなくて。スカパー! の『J リーグアフターゲームショー』も悪くはないけど、まぁ、やっぱりスカパー! だから観れる人は限られてるし、NHK BS の『J リーグタイム』も、やっぱり BS だし。

スーパーサッカー』はもはやサッカー番組ですらないし、『やべっち FC』も、やべっち自身は頑張ってると思うけど、所詮は「代表持ち上げ番組」でしかないし。本気で J リーグを取り上げる気なんて全然感じられない。「代表」ってだけで盲目的になるというか、思考停止状態になるというか、ある種のファシズム的な状況になるのが日本サッカー界なんで。もちろん、スポーツ・ニュースは言わずもがなだし、紙メディアも大差ないし。

そんな中で、たぶん、超マイノリティなんだろうけど、このJ ステーションはかなり頑張ってると思うし、現状では、実は一番面白いんじゃないかな、なんて思ったりもしちゃう。まぁ、速報性はないけど、それさえ求めなければ。番組の構成上、ピックアップする試合が 2 試合だけなんで、好きなチームが取り上げられることはそれほど多くないけど、このくらいの感じで他のチームのことをチェックしとくにはなかなか面白いし、J2 の全ゴールを観つつ、最低限の試合結果とか順位が映像的に頭に入るのもなかなかいいな、と。次節の toto の予想にも役立つし。あと、ゲストに因んだ昔の試合の映像を振り返るコーナーもなかなか面白くて。もちろん、オールド・ファンには懐かしいんだけど、それだけじゃなくて、新しいファンに過去の歴史を伝えることって、すごく大切だと思うんで(でも、すごく軽視されてる。サッカーに限らず、日本社会、全体として)。まぁ、欲を言えば、J1 を 1 時間、J2 を 30 分くらいの 90 分番組(理想は 2 時間)とかで、J1 を全試合 + J2 を 1-2 試合ピックアップしてやってくれるともっといいとは思うけど。

あと、日頃、地上波の番組でチラッとしか観てないような解説者がジックリ喋ってる(通常、試合の生放送以外ではホントに短い時間しか与えられてないことが多い)から、けっこう見直したりとか、意外な発見も多かったりするし。まぁ、個人的に好き嫌いはあるだろうけど、そういう次元ではないレベルで、やっぱり
(ミッシェルさんも含めて)みんなそれぞれ、キチントしたサッカー観を持ってることがしっかりと伝わってきるんで。

マリノス・サポーターとしては、当然、木村和司さん、
金田喜稔さん、水沼貴史さん、加茂周さんあたりが出てくるとグッとくるけど、個人的にハナシを聞いててやっぱりスゲェなぁと感心するのは名波かな(同い年なんで呼び捨てで)。オフェンスだけじゃなくディフェンスも含めてすごく細かいところまで観てるし、技術だけじゃない部分もシッカリ持ってて、しかも、自分の考えを中途半端に言葉を濁すことなくズバズバという感じもすごく好感が持てるし。

まぁ、サッカー / J リーグに限らず、地上波 TV 自体はもう、自民党政権くらい末期症状になってると思うけど(「地上波 TV ってメディア」ってことではなく、「地上波 TV を全国ネットで放送してる放送局が、企業として」、って意味で)、特に J リーグはもはや
地上波 TV の中ではマトモなコンテンツって扱いも受けてないのが現状で、そんな中で(速報性こそないけど)好きな時間に観れるインターネットでこういう番組があるっていうのは、ひとりのサッカー・ファンとしてすごくありがたいな、と。ちょっと周りに話しても観てるって人に会ったことないから、相当マイナーなんだと思うけど、もうちょっと評価されてもいいんじゃないかな、と。

実は良く理解してないんだけど、ひかり TVってのは(ウィキペディアによると)「株式会社 NTT ぷららが運営する NTT 東・西のフレッツ光向けの映像配信サービスである」と。基本はフレッツ光ユーザー向けの有料サービスなんだろうけど、このJ ステーションは公開週に限り無料で視聴できる。マックには非対応ってことになってるっぽいけど、VLC で観れてるし*。サッカー関連でも、他にもいろんなコンテンツがあるらしい。個人的には、J リーグ全チームの最新試合のダイジェスト映像と、去年までやってたチャンピオンズ・リーグのダイジェスト番組くらいしか観てないけど。

*マック +
VLC で観る方法:
  1. 「PLAY MOVIE」ってボタンを control + クリックして「リンクをコピー」
  2. VLC を起動して コマンド + N で「ソースを開く」画面を開いて「URL」のところにコピーしたリンクをペースト
  3. javascript:selectMovie('mms://wms.4media.tv/soccer /jstation18_all_090722.wmv','木村%E3%80%80和司氏');」といったテキストがペーストされるので頭の「javascript:selectMovie('」って部分と後ろの「','木村%E3%80%80和司氏'」を削除して「mms://wms.4media.tv/soccer/jstation18_all_090722.wmv」って部分だけにして「開く」。他にも方法はあるのかもしれないけど。

0 comment(s)::