2009/08/30

Live long. Live safe.

岳 10 巻』 石塚 真一 著(小学館 / ビッグコミックス) ★★★☆
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

これまでにも出るごとにレヴューしてきた』の最新刊は遂に節目の 10 巻。帯には累計部数 200 万部突破なんて書いてあるから、人気は確実に広まってるらしい。いいことだ。

まぁ、ハナシとしては、主人公の山岳救助ボランティアの「山バカ」と、その周辺の山をこよなく愛する人たちの山にまつわる心温まるエピソードって感じなんだけど、たぶんポイントは、ストイックに「登山」って感じじゃなくて、もっと広くてユルくて多様で、そして、もちろん厳しい「山にまつわる」人たちの生活だったり、心情だったりってのを、味わい深く描いてるところにあるような気がする。


いつも、わかっちゃいるけど、それでも、やっぱり、泣きそうになるし、笑っちゃうし。人前で読んじゃうと、ちょっと恥ずかしい思いをしちゃうことは必至。ある意味、とても危険なコミックだったりする。

さすがに 10 巻ともなると、主人公以外のキャラクターもいろいろと成長するわけで、むしろ、そういうサブ・キャラクターがメインになってるようなエピソードが増えてるのが最近の特徴なのかな。個人的にお気に入りなのは、東京で働く女性が山に登るエピソード。何もドラマチックなことが起こらないのに、何とも言えない味わいがあって。こういうのが山だし、『岳』だよなぁ、と。あと、やっぱ、「安全」と「長生き」だな。

いつも書いてるんで、もはや決まり文句だけど、やっぱり書いちゃう山に登らない人にも、登ってみたいかもって思ってる人にも、もちろん登る人にも。


*既発巻:

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