. NICOLA KRAMER (TrebleO) ★★★☆☆
ここ何日か、すっかり女性シンガー・ソングライター(というか、才色兼備な女性アーティスト)のアルバムのレヴューが続いているけど、このニコラ・クレーマーもそんなアーティストのひとり。ルックスはたぶんちゃんと見たことないんで、「才色兼備」かどうかはわかんないけど、とりあえず、「才」に関しては間違いないかな、と。
この "The Other One" はニコラのデビュー・ソロ・アルバムで、ドムが主宰する(らしい)トレブル O からの 2006 年のリリース(日本盤はアートワークを変えてボーナス・トラック入りでリリースされてる)。アルバム全体のプロデュースもドムってことなんだけど、もともと、個人的に彼女のことを初めて知ったのもドムのトラック(ディーゴが主宰する 2000 ブラックのコンピレーション "2000BLACK Presents the Good Good Vol.2" に収録されてたパトリス・ラッシェンのカヴァー、"Music of the Earth"。彼女はニックス名義で参加。このトラックは、この近辺のアーティストの作品の中でもトップクラスに好きな 1 曲だったりする)だったんで、違和感ないっていうか、むしろ、自然な印象だったりする。
まぁ、その後もジャザノヴァだったりリマだったりシャトー・フライトなんかのトラックにフィーチャーされてたりして、なかなか存在感のあるヴォーカルを聴かせてたんで、ソロ・アルバムにも期待はしてたんだけど、期待を裏切らない出来映え。上記の "Music of the Earth" も収録されてるんだけど、タイトなビートに負けないソウルフルさはありながら、過剰に自己主張するわけではなく、適度に距離感に突き放したようなヴォーカルは、こういうタイプのサウンドにはすごくピッタリだし、イギリス / ヨーロッパのシーンで重宝されるのも納得な感じ。
個人的なハイライトはジョニ・ミッチェルの名曲 "Help Me" のカヴァーかな。あまりクラブ仕様な感じのアレンジじゃないんだけど、わりとオリジナルに忠実なアコースティックなアレンジで。こういうのもできちゃうところも魅力だと思うし、選曲のセンス自体も抜群だし。まぁ、この"Help Me" のカヴァーはジャザノヴァのコンピレーション "Secret Love: A View on Folk" に収録されてて人気だったらしいんだけど。
まぁ、この近辺のシーンには欠かせないシンガーの作品だし、バックにドムが付いてるなら納得の出来映えだけど、全体としてもバランスがいいし、こういうタイプのサウンドのアルバムで、しかもフル・ヴォーカルのアルバムで、 クラブ仕様なトラックも入れつつも、アルバム通してキチンと聴かせる 1 枚って、ありそうで、実はなかなかなかったりはするんで、そういう意味でも貴重な 1 枚かも。
NICOLA KRAMER "Help Me" (From "The Other One")
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