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これまでの人生で(なんて言うと大袈裟だけど)ほとんど接点のなかった『週刊ダイヤモンド』誌の自転車特集号。『週刊ダイヤモンド』って、何でも「選ばれて書店売上 No. 1 ビジネス週刊誌」らしいんだけど、まぁ、馴染みがないことこの上ない感じ。でも、内容的にちょっと引っかかったんで。先週号なんでもう普通の本屋の店頭には並んでないっぽいんだけど、アマゾンとかでは買えるみたい。
表紙に「自転車が熱い! ブームを読み解く大事典」なんて、ドン引きしちゃうような特集タイトルが書いてあるんで、ついつい構えちゃうというか、警戒感を抱いちゃったんだけど(「今、●○が熱い!」とか何の衒いもなく言えちゃうヤツは信用しないことにしてるんで)、まぁ、内容は、健康とかエコロジーとかって観点から始まって、自転車通勤が会社に認められるかとか、事故ったときの保険のこととか、交通ルールや母親+こども 2 人乗りみたいな社会的な問題とか、自転車に取り組んできた日本の企業とか、海外での自転車事情とか等、わりと広くいろんな面にスポットを当ててて、悪くない感じ。前にレヴューした『自転車の安全鉄則』の疋田智氏のインタヴューも載ってる。ただ、ブームを煽るだけじゃなく、問題点にも言及してる辺りは、『週刊ダイヤモンド』らしい(のかな? よく知らないけど。イメージ的に)。
そうは言っても、キチンと見ていくと、気になる点がないわけじゃないだけど。実際に乗ってる側から見ると。まぁ、突き詰めちゃうと、日本社会における自転車そのものの問題と重なるんだけど、それは「自転車ってのは何なのか」って定義が曖昧なまま議論されてるんで、いろんな面で論点がボヤけちゃってることなんだけど。まぁ、つまり、自転車ってのは「早く遠くまで移動できる」代替移動・交通手段で、「決して安くはない」モノであるはずなんだけど、そうではない「自転車であって(自転車とされてて)自転車でない」モノとの区別がキチンとされてない感じ。たぶん、それが多くモヤモヤの原因なんだと思うけど。まぁ、さすがに、後者を撤廃すべきだなんて乱暴なことを言う気はないけど、でも、キチンと区分しないとお互いに不幸な結果にしかならないな、と。あと、どうしても「自動車社会目線」でしか語られてない感じとか。別に、意識的に、悪意を持ってそうしてるんじゃないっぽいけど、そうなだけに、いっそうタチが悪い感じもしたりして。道路の問題にしても、ルールの問題にしても。このふたつのポイントを整理しないと、全然埒が明かないっぽい。もっと大きな発想の転換が必要な感じ。だから、この特集についても、どういう結論に落とし込みたいのか、イマイチ伝わってこないし。
ただ、ブームを煽るだけじゃなく、自転車にまつわるいろんな面を(決して深くはないけど)広くカバーして、トピックを羅列してるって考えれば一定の意味はあると思うし、一読の価値はあるかな、とは思うけど。日本の放置自転車がアフリカで大活躍とか、女子高生が作ったレインウェアとか、いいことなんだかどうか、かなりビミョーなことなんかも取り上げられてて。
そういえば、今、話題(というほど話題になってない。可哀想なほどに)の谷垣禎一氏は自転車活用推進議員連盟と日本サイクリング協会の会長。沈没船の船長なんかやってる暇があったら、自転車関連の仕事をもっとちゃんとやってくれよって感じだけど。しかも、日本山岳ガイド協会の会長でもあったりして。自民党の総裁なんかよりも、やるべきことがいっぱいあると思うけど。
エレファントカシマシ "Baby 自転車" (From "ココロに花を")
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