2009/12/03

It's tricky.

"Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)"

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PREFUSE 73 (Warp

プレフューズ 73 は、サヴァス+サヴァラスやデラローサ・アンド・アソーラ等の名義を使い分けて、数々の作品をリリースしてるアトランタ出身の才人(奇人?)、ギレルモ・スコット・ヘレンのメイン・プロジェクトと言ってもいい名義で、今年、めでたく 20 周年を迎えたワープから 2001 年に "Vocal Studies + Uprock Narratives" をリリースして以来、これまでにオリジナル・アルバムを 5 枚発表している。いわゆるテクノ / エレクトロニカ系のシーンを代表するアーティストのひとりなんだけど、その中でも、特にヒップ・ホップ色が濃くて、そこが個人的にはメチャメチャツボで、デビュー当初からわりとマメにチェックしてたし、"Vocal Studies + Uprock Narratives" は今でもわりと愛聴してたりするくらい好きなアーティストのひとり。まぁ、あんまり派手な存在ではなかったんで、まさか 21 世紀に入って以降のシーンを代表するようなアーティストになるとは思っても見なかったけど。

どういう経緯なのかはわからないけど、なんでも、この "Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)" は、タイトルに 'The Japanese Diaries' ってあるように、日本限定の作品らしくて、オリジナル・アルバムってことではないのかな? リリースは今年の春頃。まぁ、12" インチとかをマメにチェックしなくなって久しいんで、どういう曲が収録されてるのかはよく知らないけど、まぁ、フツーに先入観を持たずに聴いてる分には、日本限定盤にありがちな「雑多(且つ安易?)な寄せ集め感」みたいなモノは感じない。

通して聴いてまず感じたのは、「あぁ、やっぱ、
プレフューズ 73 はメチャメチャ好きだなぁ。メチャメチャドープじゃん」ってこと。内容的は、相変わらず、っていうか、むしろ、近作以上に "Vocal Studies + Uprock Narratives" の頃のような、「いかにもプレフューズ 73」ってサウンドで、音響 / エレクトロニカ系な肌触りの音色でありながら、ヒップ・ホップを感じさせるバウンシーなグルーヴ感と必殺のヴォーカル・チョップを多用したトリッキーなサウンド・プロダクションは健在どころか、これでもかってくらい遺憾なく発揮されてる。多分にブッ壊れてるんだけど、どっかで絶妙に崩壊するのを押し止めてるというか、ギリギリのところで繋ぎ止めてるような、何とも言えない危ういサウンドは相変わらず中毒性が高い。

まぁ、最近の流れで言うと、ダブ・ステップ的なサウンド(とか言ってるわりに、イマイチよくわからんというか、シックリきてないんだけど、「ダブ・ステップ」って言葉とか呼び方には)につながったりもするんだろうけど、個人的には、"Vocal Studies + Uprock Narratives" の頃も今もやっぱりヒップ・ホップの進化形のひとつって認識だったりする。このタイプのサウンドをやってるアーティストで好きなのって、多かれ少なかれヒップ・ホップを感じさせるモノだったりするし。その中でも、プレフューズ 73 はその筆頭かな、と。


PREFUSE 73 "Such A Face" (From "Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)")








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