2009/12/06

Sounds of digital-native folks.

SAVATH Y SAVALAS "La Llama" (Stone Throw)  

前のエントリーでプレフューズ 73 の "Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)" のレヴューを書いてるときに、プレフューズ 73 ことギレルモ・スコット・ヘレンは今年、サヴァス+サヴァラス名義のアルバムも出してたことを思い出して(なんでも、今年、4 枚のアルバムを出す気らしい)、レヴューし忘れてたことに気付いたんで、忘れないうちにギレルモ・スコット・ヘレン連発ってことで。

サヴァス+サヴァラスはギレルモ・スコット・ヘレンがアシッド・フォーク / フォークトロニカ的なフォーキーな音楽性を打ち出して、エヴァ・プュエロ・ムンズとロバート・カルロス・ラング(今作から参加)と組んでるユニット。前にレヴューしたソナー・コレクティヴのコンピレーション "Secret Love" にも収録されてたけど、肌触りとしてはすごく近い世界観って言えるかな。

この "La Llama" は通算 4 枚目のアルバムで、春にリリースされたんだけど、なんと、リリース元はストーンズ・スロウ。そう聞いた時点で、十分期待できるんだけど、その期待を裏切らない、派手さこそないものの、なかなか味わい深い一枚に仕上がってて、今の季節にけっこうシックリくるサウンドだったりもする。アートワークのデザイン+写真もステキだし。

'フォーキー' って言っても、70 年代のアメリカのシンガー・ソングライター的な感じとはちょっと印象が違ってて、音楽的な影響としては、ラテン系のフォーク・ミュージック(ジャンルとしての 'フォーク' というより 'フォーク' という単語そのままの意味で)の影響が強い感じ。なんでも、メンバーのエヴァ嬢はカタランらしいんで。カタルーニャの音楽って言われても、全然素養も予備知識もないんだけど、でも、カタランと聞くだけで俄然好感を抱いちゃうし、音自体もなんかいい感じ。どうも、ただ牧歌的なだけじゃないなモノってわけじゃないみたいだし。サヴァス+サヴァラスも、ただの懐古主義的なモノではなくて、適度にアシッドでサイケデリックで、あくまでも「エレクトロニカ以降のフォーク」な感じで、なかなか刺激的。

こういう音楽性って、下手すると単なる雰囲気モノみたいになりがちなんだけど、適度にエッヂを利かせてるあたりとか、でもブッ壊れすぎてない感じとかは、さすがギレルモ・スコット・ヘレンという感じ。派手さこそないものの、ジワジワと効いてくるし、「これはヤバイ!」って感じではないのに、気がつくと再生頻度が高かったりして、中毒性も高いらしい。


SAVATH Y SAVALAS "Pavo Real" (From "La Llama")
 








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