(Motown) ★★★★☆ Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store
1997 年のデビュー・アルバム "Baduizm" で鮮烈なデビューを飾って以来、その確かな圧倒的な存在感を放ってきたエリカ・バドゥの通算 5 枚目のアルバムで、タイトルからもわかる通り、2008 年にリリースした前作の "New Amerykah Part I: 4th World War" の続編。
前作がわりとアメリカ社会への直接的なメッセージ色が濃くて、サウンド的にもわりとワイルドな印象だったのに対して、今作はよりエモーショナルでエンターテインメント色の濃い方向性で、メロウでソウルフルな印象。"Baduizm" で最初に感じたような印象に近い感じがして、ある種の原点回帰っぽいことなのかなと思ったり。
エリカ自身がプロデューサーを務めつつ、共同プロデューサーには 9th ワンダーやマッドリブ、サ・ラ、ジェ イ・ディー(R. I. P.)、ジェームズ・ポイザー、ジョージア・アン・マードロウ等を迎えてて、メンツ的には前作とカブってるんだけど、音の印象は結構違ってて、その辺はエリカ自身のプロデューサーとしての手腕なのかな。そういえば、ウィングスのサンプリングのクリアランスを取るのに、連絡先を知らなかったポール・マッカートニーにツイッターを使って 2 〜 3 日で連絡を取ったことでも話題になった 1 枚だった(ある意味、敏腕プロデューサーだ)。
個人的には、エリカ・バドゥの最大の魅力は「歌声」で、決して過剰に力んだりしてるわけではなく、むしろ軽く歌ってる感じなのにメチャメチャ存在感があって、パワフルで、グルーヴィで、表現力があって、女性ならではの優しさと強さも感じられて。しかも、その中に、ソウル・ミュージック / ファンクが本来孕んでる、ある種のマッドネスも感じられて。メチャメチャパワフルなシンガーとか、ライトでさわやかなシンガーは結構いるけど、その両方をナチュラルに持ち合わせてるシンガーって、いそうでなかなかいないから。そういう意味で、個人的には普通のアーティスト / シンガーとは別格な印象で、当然、期待値は自ずと高くなるんだけど、その期待をまるで裏切らない仕上がり。やっぱり、こういうメロウなサウンドとの相性も抜群だし、さすがとしか言いようがない。
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