2008/10/10

Brasilian beat, Brasilian life.

COURRiER Japon 2008 年 11 月号

(講談社

2005 年に創刊された雑誌『COURRiER Japon』は、フランスの週刊誌 "Courrier International"(クーリエ・アンテルナショナル)と提携し、海外の 1500 メディアのニュースを配信する「国際ニュースの 'セレクト・ショップ'」というのがキャッチ・コピーの月刊誌。情報化の加速に逆行するように情報が単純化・狭小化・偏向化している感じのする昨今の日本のマス・メディアにあって、読み応えのある数少ない雑誌のひとつかな、と思ってます(特にアメリカ偏重じゃないところが個人的には好きです)。

最新号は宮沢和史責任編集のブラジル特集。このわかりやすくて素晴らしい表紙だけで「買い」です、もちろん。内容はというと、宮沢氏のロング・インタビューを皮切りに、音楽だけではなく、経済、環境、そして 100 周年を迎えた日系移民と、さすがの内容で、読み応え十分。特に、宮沢氏の新バンド、ガンガ・ズンバの『足跡のない道』を聴きながら日系移民の記事を読んだりすると、かなりグッときちゃう。

全体的に感じられるのは「生きる力」みたいなモノ。これはブラジルに行ったときにもすごく感じたんだけど、いろいろ問題はありつつも、物事の価値を測る基準として、数字じゃない基準を持っている気がする。打算で導き出される客観的なつまんない基準じゃなくて、もっと直感的でプリミティヴな価値基準。ブラジルの魅力はサッカーや音楽、格闘技、食べ物等、メチャメチャたくさんあるけど、たぶんその根底にあるのはそれなんだと思う。だからこそ、何十年も前から(それこそ『未来の国 ブラジル』に書いてあったように)未来の国だったんだし、そこを見誤って表面だけ見ていると、見逃しちゃうものが、きっと多い。

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