2009/01/31

The godfather.

Hélio Gracie (1913 - 2009) - Rest in peace.

レビューではないけど、前にレビューした『すべては敬愛するエリオのために』の主役、グレイシー柔術の創始者であるエリオ・グレイシーの訃報が届いた。


息子のホイスが Tatame.com に以下のようなオープン・レターを送り、その心境を明かしている。


Today my father, Helio, at the age of 95 passed on. I am honored to be the son of such a great man! He was an inspiration to me throughout my life. As a Grandmaster of Jiu-Jitsu and the father of "Vale Tudo" he brought Gracie Jiu-Jitsu to the forefront of martial arts. He was a man of small stature but his heart was that of a giant. He proved with Gracie Jiu-Jitsu that even a small man could overcome a bigger stronger opponent by using leverage and technique. He was truly an innovator. Just look around and you can see how his success gave birth to the sport of mixed martial arts that we all enjoy today.
今日、私の父、エリオが 95 歳で亡くなりました。彼のような偉大な人物の息子であることを誇りに思います。父は私にとって、常にインスピレーションでした。柔術のグランドマスターとして、そして「ヴァーリ・トゥード」の生みの親として、父はグレイシー柔術を格闘技の表舞台に導きました。父は小柄でしたが、ハートは巨人でした。父は、テコの力と技術を活かすグレイシー柔術で小さい人でも大きな相手に勝てることを証明しました。父は真のイノヴェーターでした。ちょっと見回してみれば、現在、私たちが行っている MMA というスポーツの誕生にどれだけ大きく寄与したかわかると思います。


Many of you may think that the greatest thing my father ever gave me was Gracie Jiu-Jitsu. But I want all of you to know that I will remember him most for what he taught me off the matt. He taught me how to be a man, a husband and a father. He showed me how to be honorable, respectful and diligent. He taught me how to be a whole person.
父が私に与えてくれた最良のものはグレイシー柔術だと思われるかもしれませんが、私が父について思い出すことのほとんどは、父がマットの外で教えてくれたことだということを、ぜひ、みなさんに知って欲しいと思います。父は男であること、夫であること、父親であることとはどういうことかを教えてくれました。誇り高くあること、敬意を持つこと、勤勉であることを教えてくれました。ひとりの人間としての在り方を教えてくれたのです。


I ask that together we celebrate the remarkable life of my father, Helio Gracie. The greatest tribute you can to pay to my father is to continue to train and share Gracie Jiu-Jitsu, remembering to never lose sight of the fact that what you do off the matt counts more than what you do on the matt. Face life's challenges with confidence, dare to pursue your dreams and live to the fullest just as my father did.


私の父、エリオ・グレイシーの偉大な人生を皆で祝福することを呼びかけたいと思います。父に対して示すことのできる最大の敬意は、グレイシー柔術の稽古を続け、グレイシー柔術を共有し、マット上でできることだけでなく、それ以上のことをマットの外でできるという事実を見失うことなく、常に心に留めておくことです。私の父がしてきたように、自信を持って人生の挑戦を見つめ、夢を追い、人生を精一杯生きることです。
God bless us all! - Royce

アフリカでは老人がひとり亡くなると、図書館がひとつ焼失したくらいの損失だと言われるらしいけど、こういう人物の亡くなることは世界にとってもとても大き な損失。ただ、グレイシー柔術はキチンと一族に受け継がれているのが不幸中の幸いだけど、精神的な支柱を失った一族がこれからどのようにこの文化を継承 し、発展させていくのかは、期待半分・不安半分だったりするのも事実。


享年 95 歳。大往生と言って差し支えないのかな。 ー R. I. P.

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