2009/01/16

The master at work.

"Renaissance The Masters Series"

. SATOSHI TOMIIE(Renaissance)

「海外組」日本人プロデューサー / DJ の先駆者として活躍し続け、2001 年に立ち上げたレーベル、SAW も好調な富家哲が、ルネッサンスの人気ミックス CD シリーズ、ザ・マスターズ・シリーズの最新作を担当。リリースは 2008 年。富家氏は、これまでにもルネッサンスで 2006 年に "Renaissance Presents 3D: Mixed by SATOSHI TOMIIE"(名盤!)、2007 年に "Renaissance The Master Series Part 9" を手掛けてて、コンスタントに毎年リリースしてるあたりからは、ルネッサンスとのいい関係が継続してることがうかがえる(クリエイティヴの面でも、セールスの面でも)。ただ、去年出したのが "Renaissance The Master Series Part 9" なのに、今作には「パート何番」って付いてないのが何故なのかはナゾ。区別しにくくて、わかりにくいことこの上ないし。

ただ、そのわかりにくさは抜きにすれば、内容は申し分ない仕上がりで、適度にアップリフティングでありながら、サウンドはとてもディープで、心地いい音響がジワジワとくる感じは、いい意味ですごくイヤらしい。凝り性な富家氏らしく、単にミックスするだけじゃなくてアディショナル・プロダクションまでしてるらしいし(キーボードとかエフェクトとかループとか)。最近、このシーンを熱心に追いかけてるわけじゃないから、最近の傾向とか個別のトラックに関しては詳しく知らないけど、全体をひとつの作品として楽しむという意味ではそれほど重要じゃないし、細かいウンチク抜きにして楽しめる。

無機質でテッキーでミニマルでダークでありながら、前よりハードさ(+バカっぽさ)が抑えめで、ディープでアトモスフェリックで音楽的な方向性が強くなってる(ような気がする)感じは個人的に好みだし(プログレッシヴ・ハウスって呼び方はどうかと思うけど)、東京の街で深夜に歩きながら(またはランニングしながら)iPod で聴いいてるとすごくシックリきて、あらためて、クラブ・ミュージック、特にハウス・ミュージックって、都市の深夜の音楽だな、って実感した。

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