『MOONLIGHT MILE 22 巻』 太田垣 康男 著(小学館) ★★★☆☆
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これまでにも刊行されるたびにレヴューしてる『MOONLIGHT MILE』の最新刊。発売されたのはちょっと前だけどレヴューし忘れてたので今さらだけど、抜かすのも気持ち悪いんで。
21 巻が発売されたのが去年の 12 月なんで、約半年ぶり。コミックのインターバルとしては、やっぱり、ちょっと長い印象は否めないかな。
ストーリーの概要は 18 巻のレヴューに書いた通りなんだけど、ストーリーは 既に第 2 部に入ってて、地球ではインドとパキスタンの全面核戦争が起こってて、月面で生まれた 'ムーンチャイルド' が幼少期を終えて少年期を迎えてるって時代。月開発が(一見)華々しく進む反面、中国との新たな冷戦構造もありつつ、核戦争で住む場所を追われた大量の移民が月に流入し、華々しい(でも、 全面的に管理が行き届いた)表の世界だけじゃなく、裏の世界=ファヴェーラも形成されているような、そんな月社会を人類史上初のムーンチャイルドを中心に描くなかなかスリリングな展開。今回は、表紙の通り、第 2 部の主人公の母親のインパクトが強烈な部分が描かれてる。
まぁ、基本的には、 現代社会のいろいろな事象と適度にリアルで適度にブッとんだ SF 的な味付けをストーリーの中に上手く織り込みながら、あくまでもエンターテイメントとして成立させてるところが『MOONLIGHT MILE』の最大の魅力なんだけど、今回もその魅力は最大限発揮されてて、アッと驚く展開を混ぜつつ、まったく飽きさせることなく読ませてくれる感じ。
具体的には、一部の支配層(政治家・軍・大企業等の既得権益層)の(陰謀論的な)思惑で支配されてる月社会に風穴を開けるべく、かつて活躍したキャラクターなんかがいろいろな動きを見せ始めつつ、ムーンチャイルド世代も動き出すって感じなんだけど、なかなかダイナミックな展開になってて、いい意味で '焦らされてる' 感じ。既得権益層の描き方とかもベタだけど妙に納得しちゃうし。まぁ、今回はまだ、これから始まる大きな動きへのイントロダクション的な部分な感じもするんだけど(それが星を 3 つにした理由)。巻末で描かれた、もっとも活躍するべき「かつて活躍したキャラクター」の新しい動きも含めて、読後の満足感はありつつも、今後への期待はやっぱり高まっちゃう。
*既発巻:
『MOONLIGHT MILE 1 巻』/『MOONLIGHT MILE 2 巻』/『MOONLIGHT MILE 3 巻』/『MOONLIGHT MILE 4 巻』/『MOONLIGHT MILE 5 巻』/『MOONLIGHT MILE 6 巻』/『MOONLIGHT MILE 7 巻』/『MOONLIGHT MILE 8 巻』/『MOONLIGHT MILE 9 巻』/『MOONLIGHT MILE 10 巻』/『MOONLIGHT MILE 11 巻』/『MOONLIGHT MILE 12 巻』/『MOONLIGHT MILE 13 巻』/『MOONLIGHT MILE 14 巻』/『MOONLIGHT MILE 15 巻』/『MOONLIGHT MILE 16 巻』/『MOONLIGHT MILE 17 巻』/『MOONLIGHT MILE 18 巻』/『MOONLIGHT MILE 19 巻』/『MOONLIGHT MILE 20 巻』/『MOONLIGHT MILE 21 巻』
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