『MOONLIGHT MILE 21 巻』 太田垣 康男 著(小学館) ★★★★☆
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これまでに 16 巻・17 巻・18 巻・19 巻・20 巻をレヴューしてきた『MOONLIGHT MILE』の最新刊。前の巻から約半年ぶりの発売なんだけど、実は最近あらためて読み直してたりとか、偶然、作者の Ustream(前編・後編)を見つけて見てたりしたんで(これ自体もかなり面白い。相当ディープなハナシだけど)、今回は全然久々な感じはなく読めたかな。
概要は 18 巻のレヴューに書いた通りなんだけど、ストーリーは 既に第 2 部に入ってて、地球ではインドとパキスタンの全面核戦争が起こってて、月面で生まれた 'ムーンチャイルド' が幼少期を終えて少年期を迎えてるって時代。月開発が(一見)華々しく進む反面、中国との新たな冷戦構造もありつつ、核戦争で住む場所を追われた大量の移民が月に流入し、華々しい(でも、 全面的に管理が行き届いた)表の世界だけじゃなく、裏の世界=ファヴェーラも形成されているような、そんな月社会のアンダーグラウンドを人類史上初のムーンチャイルドを中心に展開して いく、なかなかスリリングな展開を見せてる。
19 巻のレヴューでも書いた通り、第 1 部がかなりリアリスティックな 'わりと具体的にイメージできる近未来' として SF って感じだったのに対して、第 2 部はもっとブッ飛んだ感じの SF っぽくなってきてて、この 21 巻もその流れではあるんだけど、第 1 部と第 2 部の間の語られていなかった「ロストマンの失われたハナシ」の続きで、20 巻のレヴューで「実際に面白くなるのは次の巻っぽくて、ちょっとジラされてる感じのところで終わっちゃう」って書いた通りだったんだけど、ハナシの内容と展開はちょっと予想以上だったかな。正直、いい意味でビックリしちゃった感じ。いつも思うけど、やっぱり、エンターテインメントとしてのレベルというか、完成度が高いんで、素直にすごく楽しめちゃう。
*既発巻:
『MOONLIGHT MILE 1 巻』/『MOONLIGHT MILE 2 巻』/『MOONLIGHT MILE 3 巻』/『MOONLIGHT MILE 4 巻』/『MOONLIGHT MILE 5 巻』/『MOONLIGHT MILE 6 巻』/『MOONLIGHT MILE 7 巻』/『MOONLIGHT MILE 8 巻』/『MOONLIGHT MILE 9 巻』/『MOONLIGHT MILE 10 巻』/『MOONLIGHT MILE 11 巻』/『MOONLIGHT MILE 12 巻』/『MOONLIGHT MILE 13 巻』/『MOONLIGHT MILE 14 巻』/『MOONLIGHT MILE 15 巻』/『MOONLIGHT MILE 16 巻』/『MOONLIGHT MILE 17 巻』/『MOONLIGHT MILE 18 巻』/『MOONLIGHT MILE 19 巻』/『MOONLIGHT MILE 20 巻』
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